(CNN) 中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に造成した人工島にミサイルを配備したと伝えられたことを受け、米政府は3日、中国政府に強い懸念を伝えた。
米情報機関は、中国軍が4月に南シナ海で軍事演習を行った際に、人工島3島に対艦ミサイルや対空ミサイルを配備したとの見方を強めている。
一方、米国防当局者はCNNに対し、演習後もミサイルが人工島に残っているかどうかは分からないと語った。中国はスプラトリー諸島で人工島の軍事拠点化を進めているが、ミサイルを配備するのは初めて。
南シナ海では中国やフィリピン、ベトナムなど複数の国が領有権を争っている。
ホワイトハウスのサンダース報道官は3日、中国に懸念を伝えたことを明らかにするとともに、「短期的、長期的な結果を招く」と中国を牽制した。
米国防総省のホワイト主席報道官は、米国が今後も公海に対する貢献を続ける姿勢を強調し、中国の敵対的姿勢を牽制。航行の自由を保証することは、中国の国益にもかなうと指摘した。
CNBCが米情報機関の情報に詳しい人物の話として3日に伝えたところでは、中国軍はフィリピン西部の複数の島にミサイルを配備した。対艦ミサイル「YJ-12B」は、人工島から295カイリ(約546キロ)の距離を航行する艦船を攻撃することが可能とされる。
中国は2016年、南シナ海北西部にあるパラセル(中国名・西沙)諸島のウッディー(永興)島に、同様の兵力を配備したと発表していた。
中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で、中国は同諸島で平和的な建設にかかわっていると述べ、その中には「必要な国防施設の配備」も含まれると説明。中国は同諸島について「論議の余地のない領有権」を保有していると強調した。