(CNN) 米国のトランプ大統領とフランスのマクロン大統領が数日前にホワイトハウスの庭に植樹したはずの苗木が、いつの間にか消えていた――。
そんな謎を巡って一時的に臆測が飛び交ったが、理由は「検疫」だったことが分かった。
うわさの発端は、ロイター通信のカメラマンがとらえた写真だった。ホワイトハウスで植樹が行われた場所の芝生が黄色くなっていて、苗木は見当たらなかった。
これについてジェラール・アロー駐米フランス大使は4月29日、苗木が姿を消したのは一時的な措置にすぎないと説明。「(苗木は)米国へ輸出される全有機体に対して義務付けられた措置に従って隔離されている。後日、再び植え直される」とツイートした。
アロー大使によると、苗木の根本はプラスチックで囲んで保護され、「慎重に隔離されている」という。
マクロン大統領の訪米関連行事を取りまとめたメラニア・トランプ大統領夫人の報道官は30日、CNNの取材に対し、苗木の隔離は以前から計画されていたと強調した。
ロイター通信によると、苗木は寄生虫の検査を受けている。もし寄生虫がいた場合、 放置すれば周辺の樹木に拡散する恐れがある。
米税関・国境警備局の規定では、米国に持ち込まれる全ての植物に対し、申告と専門家による検査を義務付けている。
両首脳による記念植樹は、マクロン大統領がホワイトハウスに到着して間もなく、2人の夫人と報道陣が見守る中で行われた。
欧州産のカシの木は高さ135センチほど、樹齢は約10年。マクロン大統領からの贈り物で、第1次世界大戦中に米国の関与する戦闘が行われたフランスのベローウッド産だった。