シリアの化学兵器疑惑、OPCW調査団が現地入りできず

シリアでの化学兵器使用疑惑をめぐり、OPCWの調査団が現地入りできず、待機を強いられている

2018.04.17 Tue posted at 12:14 JST

(CNN) シリアの首都ダマスカス近郊の東グータ地区ドゥーマで化学兵器が使用された疑いをめぐり、現地へ派遣された化学兵器禁止機関(OPCW)の調査団は、到着後2日たってもドゥーマへ入れずに待機を強いられている。

ドゥーマでは化学兵器によるとみられる7日の攻撃で、子どもを含む約75人が死亡し、約500人が治療中とされる。欧米諸国はシリア政権軍による攻撃だと主張するが、同国と支援国のロシアはこれを強く否定している。

OPCWの調査団は国連の承認を得て出発し、14日にはシリアに到着した。しかし16日になっても現地入りを許されていない。

ロシア軍の代表者は16日夜、18日には許可が出るとの見通しを示し、同国が妨害しているわけではないと強調した。ロシア治安部隊が調査団の活動を支援することになっているという。

シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、同国のメクダド副外相も16日、OPCWの任務遂行を支援する用意があると表明した。

ロシア国営RIAノーボスチ通信はリャブコフ外務次官の発言として、調査団のドゥーマ入りが遅れているのは米英仏が現地時間の14日未明、アサド政権に対して実施した軍事攻撃が原因だと伝えた。

米英仏による対シリア攻撃の様子

またロシアのシュルギンOPCW代表は16日の声明で、現地の市民ボランティア組織「シリア民主防衛隊(通称・ホワイトヘルメッツ)」が米国から提供された資金を使い、化学兵器攻撃を偽装したと主張した。

一方、米国のワードOPCW代表は16日、ロシアが現地で「不正工作」をしている可能性があると述べ、調査に支障が出るとの懸念を示した。

ロシアのラブロフ外相は英BBCテレビとのインタビューでこれを否定。同国から先週された派遣した専門家チームが「化学兵器使用の形跡なし」と結論付けたことを強調した。

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