比の人気観光地「ボラカイ島」を半年閉鎖、汚水対策へ

ビーチの美しさで名高いフィリピンのボラカイ島が今月から半年間閉鎖される

2018.04.05 Thu posted at 17:00 JST

(CNN) フィリピン政府は4日、同国有数の海岸リゾート地として有名なボラカイ島を今月26日からの半年間閉鎖し、観光客を締め出すとの方針を発表した。

ドゥテルテ比大統領が今年2月、汚水対策などが後手に回っている同島の現状に不満を漏らした後、島の将来の在り方についての臆測が飛び交っていた。大統領は「汚水のたまり場」と管理上の不手際を非難し、閉鎖も示唆していた。

CNN系列局CNNフィリピンによると、閉鎖は閣議後に発表された。半年の期間を使い島内や周辺海域の清掃に当たる方針。下水設備の整備は事業者に負担を求めるとみられる。

首都マニラから南へ約274キロ離れたボラカイ島は白砂のビーチと透明度が高い海が有名で、内外の観光客でにぎわう。世界の最良ビーチコンテストでも常に選ばれている。

住民数は最多で1万7000人で、観光業への従事者が大半。閉鎖に伴い影響を受ける住民には金銭的な補償措置がとられるが詳細は不明。

半年閉鎖の命令に反発する声も島内で出ている。組織「ボラカイ団結」のメンバーは延長して結局高くつく閉鎖の手段を取らなくても、持続的な環境対策上の方途を通じて住民自身が島の再生、修復や再建に当たることが出来ると主張。島からの観光排除は1万9000人以上の業界従事者の生活を破壊し、ボラカイの小中規模の事業ばかりでなく国全体の観光を苦境に陥れ、フィリピンの世界的な評判を損ねるとも強調した。

サーフボードに乗って海水浴客にココナッツのジュースを売る男性

同島を昨年の10カ月間で訪れた観光客は約170万人。豪華客船の立ち寄りも多い。ただ、観光客の流入が本格化し始めた1980年代から地元の環境への負の部分が表面化。特に野放図な開発や海への下水排出が問題視されていた。

国営フィリピン通信によると、島の下水設備に関する調査では計834ある居住棟や商業用建物のうち716で許可なく排水を海に垂れ流していることが判明。

CNNフィリピンによると、50を超えるホテルやレストランは今年2月、同国の水質関連の法律を順守していないとして警告を受けた。

観光省によると、ボラカイ島訪問を今年予定している豪華客船などは最多で18隻、乗客は5万人以上で乗務員は約2万5000人となっている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。