ガザで大規模デモ、イスラエル軍と衝突 17人死亡、1400人超負傷

イスラエル軍が境界付近のパレスチナ人のデモ参加者に催涙ガスを発射=30日

2018.03.31 Sat posted at 10:21 JST

ガザ(CNN) パレスチナ自治区ガザの対イスラエル境界沿いで30日、「帰還の行進」と呼ばれる抗議デモが行われ、パレスチナのリヤド・マンスール国連代表によると、イスラエル軍との衝突で少なくとも17人が死亡、1400人超が負傷した。デモは1948年のイスラエル建国の翌日に当たる5月15日まで、6週間にわたり続く見通し。

デモ隊はガザとイスラエルを分けるフェンスに向かって行進。フェンス沿いでは数万人のパレスチナ人が行進したほか、ヨルダン川西岸やイスラエルでも少人数の集団が街頭に繰り出した。

CNN取材班はガザ北部で、30分間に少なくとも二十数人が救急車で搬送されていくのを目撃した。負傷の要因はイスラエル軍が発射したゴム弾や催涙ガス、実弾など多岐にわたる。

パレスチナ保健省によると、負傷者は1416人に上る。うち758人は実弾、148人はゴム弾による負傷で、頭部や腹部、背中に重傷を負った例もあると明かした。

イスラエル国防軍(IDF)は声明で、数千人のパレスチナ人がガザ地区全域で「暴動」を起こし、タイヤを燃やしたり投石を行ったりしたと言及。暴徒鎮圧のための手法で応じ、主要な扇動者に対しては発砲したとしている。

境界に沿って仮設されたテント村を通過するパレスチナ人の行進=ガザ東部、30日

デモは1976年のイスラエルにおけるパレスチナ人所有地の収用を記憶する「土地の日」に合わせて行われた。土地収用に対する当時の抗議ではパレスチナ人市民6人が死亡している。

デモは5月15日まで続く見通し。5月15日はイスラエル建国の翌日に当たり、パレスチナ側では「ナクバ(大惨事)」と呼んでいる。第1次中東戦争の期間中にはパレスチナ人およそ70万人が住む場所を追われた。

イスラエル建国70年に当たる今年5月14日前後には、米大使館のエルサレム移転も行われる予定。トランプ大統領が下したこの決断で、パレスチナ人のイスラエルに対する抗議運動は激化している。

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