ニューヨーク(CNNMoney) オランダのビール大手、ハイネケンがテレビとインターネットで流した動画の広告に人種差別的との批判が集中し、同社は27日までにこの広告を取り下げた。
問題の動画では、バーテンダーがカウンター上ですべらせた同社のビール「ハイネケン・ライト」のボトルが黒人数人の前を通過する。そこで「時にはライトなほうがいい」というキャッチコピーが流れ、ボトルは肌の色があまり濃くない女性に届く。
英語のライト(light)には「軽い」のほかに「明るい」「色が薄い」という意味がある。
広告はソーシャルメディア上で一斉に非難を浴びた。米ヒップホップ歌手のチャンス・ザ・ラッパーは25日夜、ツイッターで「ひどい人種差別主義だ」と発言し、これに多くの人が同意した。
元広報担当者と名乗る女性は「この広告を承認したばか者はだれなのか。クビにしてください」とツイートした。
ハイネケンは25日夜にこの広告を取り下げ、「的外れだった」「フィードバックを肝に銘じて今後の広告に生かす」との声明を出した。
米飲料大手ペプシは昨年、黒人差別反対の抗議デモを描いたコマーシャルで批判を浴びた。ハイネケンはこの時、立場の違う人々がビールを飲みながら語り合うコマーシャルを流して称賛されていた。
その後も欧州の日用品大手ユニリーバ傘下のダブが昨年10月、ソーシャルメディアに流したボディーソープの広告や、スウェーデンのカジュアル衣料大手H&Mが今年1月、オンラインストアに掲載した黒人少年の画像が人種差別的だと非難を浴びた。