丸腰の容疑者射殺した警官、事後にボディーカメラの音声切る 米

丸腰の容疑者を射殺した米警官が、その後自分たちのボディーカメラの音声を切っていた

2018.03.26 Mon posted at 15:51 JST

(CNN) 米カリフォルニア州サクラメントで、車の窓を壊して逃走した丸腰の容疑者を警官が射殺した件で、その後自分たちのボディーカメラの録音機能をオフにしていたことがこのほど明らかとなり物議を醸している。

今月18日、黒人の男が車の窓ガラスを壊しているとの通報を受け警官2人が現場に急行。容疑者を追いつめたところ、警官に向かって近づいてきたため射殺した。警察は、容疑者が銃を所持していると警官らが思ったと説明したが、現場から武器は見つからず、遺体のそばに携帯電話があっただけだという。

サクラメント警察署は21日、射撃の際の様子を記録したボディーカメラの映像2本を公開。容疑者を撃ってから約7分後、緊急通報ダイヤルの911番に電話などをしたあとで警官が「おい、音を消せ」と話す声が聞こえ、その直後に映像の音声が切れている。

丸腰の容疑者を射殺したことについてはすでに全国的な反発が起きているが、ボディーカメラの音声を消した警官の行動に対しても疑問視する声が高まっている。

サクラメント警察署のダニエル・ハーン署長はCNN系列局のKCRAの取材に答え「カメラを消音にした警官の行動は、検証が必要な事柄のひとつだ」「ボディーカメラの音声を消す措置は常に疑念を呼び起こすものであり、今回もそうなった。警察と地域の関係にとって健全とは言えない」と述べた。

現在のサクラメント署の規定では、録音機能の操作に関する具体的な言及がないという

2016年に策定されたサクラメント署のボディーカメラに関する規定では、車両停止や飲酒検査の場合など、カメラをいつ作動させるかについての言及はあるものの、録音機能の操作に関しては具体的に明記されていない。ハーン署長によれば、同署がボディーカメラを警官に装着させたのは17年から。

上記の規定では、警官は自らの判断によりボディーカメラの機能を停止することができるとしている。捜査上の機密事項などを警官同士で話し合う際や、目撃者もしくは被害者が撮影されながらの証言を拒否した場合などがこれに該当する。

音声の記録についてもこうした規定が適用されるのかどうかは現状で不透明だ。

サクラメントのスタインバーグ市長は規定について「非常に注意深く検証しなくてはならないだろう。場合によっては全面的に改変する必要も出てくると思う」との認識を示した。

米警官、丸腰の容疑者を射殺

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