米特別検察官、ロシア人13人を起訴 大統領選介入で

マラー特別検察官。ロシア国籍の13人とロシアの3団体を起訴した

2018.02.17 Sat posted at 10:57 JST

(CNN) 米司法省は16日、2016年の米大統領選に介入したなどとして、マラー特別検察官がロシア国籍の13人とロシアの3団体を起訴したと発表した。これらの個人や団体は米国を欺く行為を企てた罪のほか、3被告は通信の不正や銀行詐欺を企てた罪、5被告はなりすましの罪にも問われている。

ローゼンスタイン司法副長官は被告について、「選挙候補者や政治システム全般に対する不信感を広げるという目標を掲げ、彼らが言うところの情報戦争を米国に仕掛けていた疑いがある」と述べた。

起訴状によると、ロシアの組織「インターネット・リサーチ・エージェンシー」は14年から米国の政治体制に介入する工作を開始。工作の対象には16年大統領選も含まれていた。「米国の政治体制に不和の種をまくという戦略的目標」があったとしている。

また、被告らは実在する米国人になりすましたり、米国人を装った虚偽の身元情報を作成したりして、米国の閲覧者を集める目的でソーシャルメディア上のページやグループを運営していたという。

マラー氏はロシアの大統領選介入疑惑に対する捜査などの一環として大陪審を招集している。

起訴状は、16年大統領選に影響を与えることを狙ったロシアによる前例のない工作を詳細に記述しており、かねてからの米情報機関の結論を確認するものだ。こうした結論に再三疑問を呈してきたトランプ大統領の主張とは食い違う内容となっている。

トランプ大統領(右)はトランプ陣営とロシア側の結託はなかったと改めて主張

今回の発表を受け、トランプ氏はツイッターで、起訴内容に大統領選に影響を及ぼしたとの主張はないと強調。「ロシアは2014年に反米工作を始めた。私が大統領選に出馬表明するはるか前のことだ」とし、「選挙結果には影響がなかった。トランプ陣営は何も悪いことはしておらず、結託はなかった」と述べた。

起訴状によると、2016年2月にインターネット・リサーチ・エージェンシーのスタッフに対し、米国のソーシャルメディアに政治的な内容を投稿し、ヒラリー・クリントン氏と残りの候補者を批判するようにとの指示があった。その指示には「我々が支持するサンダースとトランプは除く」との文言も添えられていた。

民主党の予備選ではバーニー・サンダース氏がクリントン氏と大統領選の候補者指名を巡って激しく争っていた。こうした記述から、ロシア側が早い段階でクリントン氏を攻撃することを決めていたことがうかがえる。今回訴追された個人13人のうち12人は同団体の関係者。

ローゼンスタイン氏は、今回の起訴では、不正を認識しながら関与した米国人がいるとの主張は一切ないと強調。また、こうした不正行為で選挙結果が変わったとの主張もないと指摘した。

米特別検察官、ロシア人13人を起訴

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