荘厳さに息をのむ、バッキンガム宮殿見学ツアーの見所15選

王室メンバーが休暇へ出かける夏期に一般公開されるバッキンガム宮殿

2018.06.10 Sun posted at 19:28 JST

(CNN) バッキンガム宮殿は、バッキンガム公が自らの邸宅として建てたバッキンガムハウスが始まりとされ、1761年にジョージ3世が王妃シャーロットのためにその邸宅を購入した。

その後、王位を継いだジョージ4世が宮殿に改装し、1837年7月、ビクトリア女王がこの宮殿を公邸として使用した初の君主となった。現君主のエリザベス女王は1952年の即位以来、この宮殿をロンドンの公邸として使用している。

宮殿は、およそ25年前から一般公開されており、通常7月末から9月末まで開催される宮殿見学ツアーでは、19室の公式諸間(ステートルーム)、広大な庭、王室厩舎(ロイヤル・ミューズ)などが見学できる。

今回はCNNが選ぶ、宮殿ツアーの見所15選をご紹介する。

1.豪華な階段

宮殿内の豪華な階段は、1800年代初頭にジョージ4世から宮殿の改装を依頼された建築家ジョン・ナッシュが設計した。アカンサス、オーク、月桂樹の葉の複雑な模様の装飾が施された金銅製の手すりが特徴だ。

2.音声ガイド

見学ツアーの参加者は無料の音声ガイドが利用可能で、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語、ブラジルポルトガル語、日本語、ロシア語、中国語から選択できる。

宮殿の高い天井には豪華なシャンデリアが数多く掛かっている

3.シャンデリア

宮殿の高い天井には数多くの豪華なシャンデリアが掛かっており、中でも白の客間の中央に掛かっている滝のシャンデリア、王座の間にある9つの照明が付いた金銅・ガラス製のシャンデリア、舞踏室の6つの水晶から成るシャンデリア、さらに青の客間に掛かっている4つのガラス・オルモル製シャンデリアは印象的だ。

4.マルスとビーナス像

「マルスとビーナス」像は、ジョージ4世がナポレオンの凋落を記念し、彫刻家アントニオ・カノーヴァに作らせた。マーブルホールにあるこの像は、抱擁し合うローマの軍神マルスと愛の女神ビーナスの像で、1個の大理石から彫られている。

5.王座の間

王座の間の檀上に置かれた2脚の赤と金の椅子は威厳が漂い、椅子の生地にはエリザベス女王とフィリップ殿下のイニシャルが縫い込まれている。

この部屋は、ビクトリア女王の時代は舞踏場として使用されたが、最近は主にロイヤルウェディング写真の背景として使用されている。

6.ピクチャーギャラリー(絵画の間)

もともとジョージ6世が収集した美術品を展示するために作られたこの部屋には、レンブラントやルーベンスの自画像、アンソニー・ヴァン・ダイクの「聖母子」、ヴェネツィア共和国の画家カナレットの作品など、英王室が所有する美しい絵画コレクションの一部が飾られている。

米国のケネディ元大統領や南アのマンデラ元大統領らが女王に贈った品々

7.ビクトリア女王の金のピアノ

宮殿で最も豪華な部屋の1つである白の客間の中でも一際目を引くのがこの豪華なグランドピアノだ。

1856年にフランスのピアノメーカー、エラールがビクトリア女王のために製造した。名ピアニストであるビクトリア女王と夫のアルバート公は、日ごろからこのピアノをいっしょに弾いて楽しんでいたという。

8.セーブル磁器のコレクション

バッキンガム宮殿には、18世紀中頃から欧州で最も優れた製陶所とされた国立セーブル製陶所が制作したセーブル磁器の見事なコレクションがあり、その大半はセーブル磁器の熱心な収集家だったジョージ4世が1783年から1830年までに収集したものだ。

9.展示会

バッキンガム宮殿は毎年、夏の一般公開の一環としてさまざまな展示会を開催する。昨年の展示会は「ロイヤルギフト」と題され、米国のジョン・F・ケネディ元大統領や南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領らから女王に贈られたさまざまな贈り物が展示された。

2018年には、チャールズ皇太子の70歳の誕生日を記念する品々などが展示される。

宮殿内で最も広い舞踏室は、晩餐会などに使用される

10.舞踏室

長さ37メートル、幅18メートルの舞踏室は、宮殿で最も広く、最も豪華な部屋だ。イタリアのルネサンス様式をモチーフに作られたこの部屋は、1856年にクリミア戦争終結を記念して初めて公開された。現在は叙任式や晩餐会に利用されている。

11.秘密の扉

実は、白の客間は女王の個室と秘密の扉でつながっており、女王は来客と面会する際、この扉を使って公式諸間に入る。

洞察力の鋭い人なら、キャビネットらしき物の後ろに隠されたドアを見分けられるかもしれない。

12.音楽の間

音楽の間には、イングランドのピアノメーカー、ジョン・ブロードウッド・アンド・サンズ製のグランドピアノが置いてあり、リサイタル会場としても使われる。 この部屋に飾られている豪華な家具はもともとジョージ4世の所有物で、18世紀末にパリの椅子・ベッド職人、ジョルジュ・ジャコブからジョージ4世に提供されたものだ。

戴冠式で使用するゴールド・ステート・コーチ。8頭の馬で引く

13.宮殿内の庭

広さ約16ヘクタールの広大な庭園には、30種の鳥が生息し、150本の成木と322種の英国の野草が生えている。庭園を探索したい人は、追加料金を支払えば公式諸間と宮殿の庭がセットになったツアーに参加できる。

庭園には、湖、多年生植物園、サマーハウス、バラ園、さらに高さ約4.5メートルの巨大な花瓶などがある。

14.ゴールド・ステート・コーチ

王立厩舎では、現在も英王室の人々が使用する、歴史的に重要なさまざまな馬車が見られる。中でも一際目を引くのがゴールド・ステート・コーチだ。1762年にジョージ3世のために作られたこの馬車は総重量が約4トンもあり、8頭の馬で引く。1821年以来、戴冠式で毎回使用されている。

15.衛兵交代式

衛兵交代式は、宮殿を警護するオールドガードがニューガードと任務を交代する公式のセレモニーで、4月から7月までは毎日(それ以外の期間は1日おき)、宮殿の前庭で午前11時から11時45分まで行われる。

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