ミサイル接近の誤報は人為ミス、選択誤って送信 ハワイ

ミサイル接近の誤報は人為ミスが原因だったという

2018.01.15 Mon posted at 11:57 JST

ワシントン(CNN) 米ハワイ州で「弾道ミサイルが接近中」という誤報が流れた問題で、同州のイゲ知事はCNNの取材に対し、職員がボタンを押し間違えたことによる人為ミスが原因だったと説明した。

ハワイ州緊急事態管理局(EMA)は14日、手違いが起きた経緯について詳細を明らかにした。

この問題では13日、「弾道ミサイルの脅威がハワイに接近中。ただちに避難を。これは訓練ではありません」という警報が流れ、住民や観光客が混乱に陥った。警報はテレビやラジオで流れたほか、携帯電話にも通知が届いた。

州緊急事態管理局は直後にツイッターへの投稿で「ミサイルの脅威はない」と否定したが、住民の携帯電話に誤報だったことを確認する通知が送信されたのは、最初の警報から38分後だった。

イゲ知事は誤報の原因について、「勤務シフトを交代する際に手違いがあり、1人の職員が間違ったボタンを押した」と話している。米国防総省や州緊急事態管理局の高官と対策会議を開き、原因の究明に当たるとともに、再発防止策について協議したことも明らかにした。

州緊急事態管理局幹部によれば、手違いは勤務シフトの交代後、日課として行っている訓練の際に発生。緊急対策センターの職員が、送信するメッセージの定型を定めた「テンプレート」の選択を誤り、本来なら内部にのみ送信されるテンプレートを選択すべきところを、一般向けに送信するメッセージのテンプレートを選択してしまった。

問題のテンプレートを選択すると、コンピューターには、そのメッセージを送信するかどうか確認する画面が表示された。しかし職員が誤って送信実行のボタンをクリックしたことから、ミサイル接近を警告するメッセージが発信された。

この時点で、緊急事態管理局が即座に誤報だったことを伝えるための訂正用テンプレートは用意されていなかった。

ミサイル接近の誤報で高速道路にも混乱が生じた

当局者によると、その後、誤報を訂正するためのテンプレートが作成された。メッセージを送信する際は、訓練であっても実地であっても、責任者が確認しなければならない仕組みに変更された。

問題を起こした職員は懲戒処分を受けて配置換えとなったが、免職は免れた。

米当局者によると、今回の事態については連邦捜査局(FBI)や国土安全保障省、邦緊急事態管理局も注視しているほか、国防総省のマティス長官は状況について説明を受けた。連邦通信委員会(FCC)も調査に当たっていることを明らかにした。

ペリー元国防長官は13日夕、適切な安全対策を講じなければ、核戦争が手違いによって勃発する可能性も排除できなくなると警告。ツイッターへの投稿で、「偶発的な核戦争のリスクは仮定ではない。アクシデントは過去に発生しており、人為ミスは再び起きる。何百万もの命が危険にさらされる以上、手違いが起きないよう願う以上の対策を講じなければならない」と強調した。

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