ロンドン地下鉄、来年に新路線開業 沿線の住宅価格高騰

2018年12月から「エリザベス線」が段階的に操業を開始する

2017.12.25 Mon posted at 15:58 JST

(CNN) 英ロンドン地下鉄の新路線「エリザベス線」の開業まで、今月であと1年となった。新たなインフラ開発の影響は、沿線地域の住宅価格の高騰という形ですでに表れている。

英国のエリザベス女王にちなんで名づけられた新路線の建設には200億ドルが投じられた。シンボルカラーは紫で、2018年12月の開業以降は赤、黄、緑、青といった既存の路線とともに、お馴染みの地下鉄路線図を彩ることになる。

エリザベス線が加わることでロンドン中心部の輸送能力は10%の増加が見込まれている。1年をかけて段階的に開業する形をとり、全線での運行は19年12月から始まる予定。

東西に走る路線の総延長距離は96.5キロを超える。西はレディングとヒースロー空港から始まり、最も東側の駅はイングランド東部のエセックス州に位置する。ロンドン中心部ではパディントンステーションやボンドストリートといった駅を経由。ロンドン東部のビジネス街、カナリーワーフにもつながっている。

エリザベス線を運行する会社は、急行列車の本数が増えることでロンドン中心部から45分以内の地域に住む人口が150万人増えると予測する。

駅の総数は41で、10駅が新たに設置された。英ロイズ銀行の報告によると、これらの駅に近い住宅の平均価格は過去3年で39%上昇。周辺地域の値上がり率23%を上回るという。

路線名はエリザベス女王への敬意から命名

従来不人気とされていた地域が、路線開業を機に評価を高める現象も見られる。オンライン不動産サイトのデータによれば、エリザベス線が乗り入れ予定のウェストイーリング、ウリッジ、ホワイトチャペルといった地域では住宅価格が2007年以降2倍に跳ね上がっている。

一方で税制の改正や金利の上昇、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる不透明感などから、投資家らがロンドンの不動産取引を控えるケースも目立ってきている。

今年9月、英住宅ローン大手のネーションワイドはロンドンの住宅価格が過去8年で初めて下落に転じたと報告した。

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