ドバイ(CNNMoney) 1カ月前に絵画作品として史上最高額の4億5030万ドル(約510億円)で競り落とされたレオナルド・ダビンチの絵画「サルバトール・ムンディ」の落札者が、ようやく判明した。
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ文化観光局は11日、同局がこの作品を購入していたことを確認した。
同作品は、米ニューヨークで11月15日に開かれたクリスティーズのオークションで落札された。しかしこの時点で、落札者は公表されていなかった。
その後、アブダビにある美術館「ルーブル・アブダビ」で同作品が展示されることが判明。しかし所有者は明かされず、一層の憶測を呼んでいた。
米紙ニューヨーク・タイムズは、同作品を落札したのはサウジアラビアのムハンマド皇太子に近いバデル王子だったと報道。これについてサウジアラビアは、バデル王子はUAEのための仲介役を果たしたと説明している。
在米サウジ大使館によれば、バデル王子はルーブル・アブダビの後援者として11月8日のオープニング式典に出席。その後アブダビ文化観光局から、同作品の購入を仲介してほしいと依頼されたという。
アブダビ文化観光局長は現地で行った講演の中で、政府は以前からこの作品に目を付けており、この機会を逃せば「ダビンチ作品を入手できる機会は生涯で二度と訪れないだろうと考えた」と打ち明けた。
サルバトール・ムンディは「世界の救世主」の意味。ルネサンス期の服装をまとったイエス・キリストが描かれている。
ルーブル・アブダビでは、フランスの本家ルーブル美術館から借り受けたダビンチの絵画「ミラノの貴婦人の肖像」と並べて展示する予定だが、初登場がいつになるのかはまだ明らかにしていない。