米マスメディア業界の大物2人、セクハラ告発で停職

ニューヨーク・タイムズのホワイトハウス担当として活躍するグレン・スラッシュ記者

2017.11.22 Wed posted at 18:54 JST

ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク・タイムズ紙の大物記者とCBSテレビの著名司会者が、女性からのセクハラの訴えを受けて相次いで職務停止に追い込まれていたことが22日までに分かった。同国の映画界や政界を揺るがしているセクハラ告発の動きが、新聞やテレビといったマスコミ業界にも飛び火した格好だ。

ニューヨーク・タイムズは20日、ホワイトハウス担当記者としての活躍が注目を集めてきたグレン・スラッシュ氏(50)の停職処分を発表した。

政治情報サイト「VOX」が同日、同氏が周囲の若い女性ジャーナリストらにセクハラ行為を繰り返してきたと報じた。

記事を執筆した女性記者自身を含む4人が、意に反して体を触られたりキスされたりしたと訴えている。酒に酔った同氏から性的接触を迫られたこともあったという。

ニューヨーク・タイムズのディーン・バケット編集主幹は同日、スタッフにあてたメールで、記事に書かれた内容は同紙の従業員にあるまじき行為だと述べ、徹底調査が完了するまでの間、スラッシュ氏を停職処分とする方針を示した。

同紙のマーク・トンプソン最高経営責任者(CEO)もメールを通し、いかなるセクハラの告発も深刻に受け止めることを約束。被害を受けた従業員は申し出るよう呼び掛けた。

スラッシュ氏は昨年、政治ニュースサイト「ポリティコ」から同紙に移り、女性記者のマギー・ハーバーマン氏と共同でトランプ政権の重要なニュースを伝えてきた。

報道番組の司会などを務めるチャーリー・ローズ氏も、女性への「不適切な行動」を謝罪

CNNへの書簡でスラッシュ氏は「私と一緒にいる女性が不快な思いをしたり、私が不適切な行動を取ったりしたことがあったなら謝罪する」と述べる一方、記事の内容は自分の記憶と大きく食い違っているとも弁明した。

同氏はさらに、数年前から私生活や健康面での問題が相次ぎ、大量の飲酒でそれをしのいできたと告白。今年6月以降は一切酒を飲まずにカウンセリングを受け、まもなくアルコール依存症の通院治療を開始する予定だと説明した。

また、CBSテレビは同日、報道番組の司会などを務めるチャーリー・ローズ氏の降板を発表した。同氏に体を触られたり、不適切な電話をかけられたりしたとする女性8人の訴えを、ワシントン・ポスト紙が報じたことを受け、ただちに処分を決めた。8人のうち3人は記事の中で実名を明かしている。

ローズ氏がインタビュー番組を持つ米公共放送(PBS)も、同氏の出演番組の放送を中止すると発表した。

ローズ氏は同紙に寄せた談話で「不適切な行動を深く謝罪する」と述べたが、「全ての主張が正確だとは思わない」とも主張。合意のうえでの行為と誤解していたことを示唆し、「この件では大変多くのことを学んだ」と強調した。

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