ASEAN式握手に「葛藤」する各国首脳、筆頭はトランプ大統領

ASEAN式握手に苦戦する各国首脳たち。左からタイのプラユット首相、ロシアのメドベージェフ首相、ベトナムのフック首相、米国のトランプ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領、オーストラリアのターンブル首相、シンガポールのリー首相

2017.11.14 Tue posted at 12:31 JST

ワシントン(CNN) フィリピンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議。今年も記念撮影の場で、各国首脳が両腕を交差させて手をつなぐ奇妙な握手を披露した。

中でも葛藤の中心にいたのが米国のトランプ大統領だった。写真に写っている首脳の様子を左から順に紹介する。

タイのプラユット首相:この種のことにはすっかり馴染んでいるらしい。腕を無理に伸ばすこともなく、完全にリラックスした様子で、まるでこの「ASEAN式握手」を何千回もこなしてきたかのようだった。ただしその表情は、「我慢しているだけだ。間違っても楽しんでいると思われたくない」と語っていた。

ロシアのメドベージェフ首相:国際外交の舞台であっても「常に自分がやりたいようにやる」というプーチン方式で訓練されていることは明らかだった。ASEAN式握手のルールに従わないという自分の決定は正しいと意識しつつ、クールな笑みを浮かべていた。

ベトナムのフック首相:右側のメドベージェフ首相とはうまくやったものの、左側に立つトランプ大統領のあらゆる動作に対して対応を迫られた。うつむいた姿勢には、早く握手が終わってほしいと願う気持ちが表れていた。

トランプ米大統領:この握手をどうやるかが全く分かっておらず、写真に写った全員をおかしな格好で引っ張っていた。中指と人差し指を使って右側に立つフック首相の手をつかみながら、左側にいるフィリピンのドゥテルテ大統領の手をやっとのことで握っている。トランプ大統領の顔には、「自分は楽しんでいるのか?」「思ったよりも難しい」という表情が浮かぶ。それでも握手は何とかやり遂げたが、右腕にはやや無理があった。

ASEAN式握手に苦戦する各国首脳たち

ドゥテルテ大統領:右腕をうまく差し出そうと試みるトランプ大統領を相手に「いいかげんにしてくれよ。オレたち一体何やってるんだろう」的な表情が浮かぶ。左側に立つオーストラリアのターンブル首相との握手も非常に窮屈そうだ。

ターンブル豪首相:ドゥテルテ大統領の側にやや身体を傾け、トランプ・ドゥテルテ両大統領の握手がうまくいくよう配慮している様子だった。両足をそろえて立っていたので、トランプ大統領が強く引っ張れば転んでしまう可能性も排除できなかった。

シンガポールのリー首相:トランプ大統領が引っ張る力はターンブル首相がほとんど受け止めたため、リー首相はバランスが良く満足そうな様子だった。ただ、観衆の誰かに向けて、「毎年こんな握手をやっているなんて信じられない」といった視線を送っていた。

ASEAN式握手、各国首脳が葛藤

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