クシュナー上級顧問、特別検察官に文書提出 ロ介入疑惑で

クシュナー米大統領上級顧問

2017.11.03 Fri posted at 13:05 JST

(CNN) ロシアの米大統領選介入や米連邦捜査局(FBI)長官の解任に絡む司法妨害の疑惑に関する捜査で、トランプ大統領の娘婿、クシュナー上級顧問が捜査を指揮するマラー特別検察官に文書を提出していたことが3日までにわかった。

複数の情報筋によると、捜査官らは、コミー前FBI長官の解任劇での司法妨害を含むロシア介入疑惑の捜査の一環で、クシュナー氏に関心を示している。同氏がコミー氏解任で果たした役割に関する関係者への事情聴取も始まった。

クシュナー氏に関する事情聴取は、マラー氏が主導する捜査が大統領の側近に達し、昨年の大統領選を越えてホワイトハウスでの政権高官の行動にまで及んでいることを示すものだ。クシュナー氏による大統領への助言がロシア関連の捜査全体や、司法妨害の可能性にどのように絡んでくるのかは不明。

ホワイトハウスに近い複数の情報筋は、クシュナー氏は捜査の標的ではないとの見方を示している。

情報筋によると、クシュナー氏は選挙戦や政権移行期の文書のほか、ロシアとのやり取りに関連する文書を任意で提出した。これらの文書は、クシュナー氏が連邦議会の調査委員会に提出したのと類似しているという。

別の情報筋によると、捜査官らはコミー氏解任のほか、トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏が昨年6月のトランプタワーでのロシア人弁護士らとの会合に関する声明を公表した経緯についても聴き取りを進めている。クシュナー氏も同会合に出席していた。

クシュナー氏の弁護士やホワイトハウス、特別検察官の報道官からのコメントは得られていない。

ロシア疑惑の捜査チームを率いるマラー特別検察官

クシュナー氏がトランプ氏によるコミー氏解任の決断に影響を与えていたのかどうかについては、トランプ氏の周辺でも見解が割れている。

ホワイトハウス筋は、トランプ氏がコミー氏が5月3日に連邦議会で証言するのを見て、単独で決断を下したとの認識を示している。一方、クシュナー氏が決断のけん引役で、大統領に政治的に有利に働くと予想していたとの見方もある。

クシュナー氏がコミー氏を解任したかった理由にも様々な臆測が出ている。ホワイトハウスに近い一部の人々は、政治の初心者がその後の影響を考えずに大統領の敵を追い払おうとしたか、または義父であり上司であるトランプ氏を喜ばせようとした結果に過ぎないと語る。クシュナー氏に反感を抱く人々からは、クシュナー氏が自身の金融資産をコミー氏に精査されるのを嫌い、捜査を遅らせる狙いがあったとの見方も出ている。

マラー特別検察官が捜査を引き継ぐ前から、FBIはクシュナー氏の大統領選及び政権移行期の役割を注視していた。トランプタワーでの会合やロシアの大使や銀行家との面会は、身辺調査に関する書式への記載がなかった。同書式は複数回修正される必要があった。

ロシアの介入疑惑捜査では、トランプ陣営の選対幹部を務めたポール・マナフォート氏ら2人が起訴され、先月30日に出頭した。また外交顧問を務めたジョージ・パパドポロス氏がFBIに虚偽の供述をした罪を認めたことが分かっている。

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