伝統破りのトランプ氏、近代では初の「ペットなし大統領」に

バラク・オバマ第44代大統領のポーチュギーズ・ウォーター・ドッグのボーとサニー

2017.11.02 Thu posted at 11:00 JST

ワシントン(CNN) 米政界の改革を打ち出して大統領選を戦い、勝利を収めたドナルド・トランプ氏だが、ある分野でも、これまでの伝統を打ち破る行動を見せている。トランプ大統領一家はペットを飼っていないのだ。ペットを飼っていない大統領は、近代史の中で初となる。

ホワイトハウスでペットを飼うという伝統はトマス・ジェファーソン第3代大統領にまでさかのぼる。ジェファーソン大統領は、マネシツグミや子熊を飼っていた。

非営利団体「ホワイトハウス歴史協会」の歴史家エド・レンゲル氏は、動物を飼うことでイメージがソフトになり、アピールする力が増すと指摘。「ペットは、ホワイトハウスがお堅い博物館ではなく、家族がいて、人が住む場所だという雰囲気づくりに役立つ」と述べた。

ホワイトハウスの広報担当によれば、今のところ、トランプ大統領がペットを飼う予定はないという。

ホワイトハウスで飼われたペットに関する初期の歴史については、きちんとした記録は残っていない。家畜や猟犬、馬などが馬小屋にいて、多くの動物は贈り物だった。

ジェームズ・ブキャナン第15代大統領にはゾウの群れが、マーティン・ヴァン・ビューレン第8代大統領には子どものトラ2頭が贈られたという。レンゲル氏によれば、書面での確認はできていないものの、ジョン・クィンシー・アダムズ第6代大統領はアリゲーターを受け取った。

フランクリン・ルーズベルト第32代大統領の愛犬「ファラ」は大統領と一緒にひんぱんに外出した

ウッドロウ・ウィルソン第28代大統領はホワイトハウスの芝生で羊の群れを飼っていた。

ウォレン・ハーディング第29代大統領のエアデールテリア「ラディ・ボーイ」は閣議のための部屋に専用の椅子を持っていた。

ホワイトハウスの記者団や読者にとって、大統領のペットは注目のネタとなった。レンゲル氏によれば、1920年代には、どんな変わった動物がホワイトハウスに贈られてくるのか注目するのが一種の流行になったという。

カルビン・クーリッジ第30代大統領のグレース夫人はそうした奇妙な動物を気に入り、アライグマには「レベッカ」と名付けた。フクロネズミも引き取ったという。

セオドア・ルーズベルト第26代大統領のブルドック「ピート」はフランス大使のズボンを引き裂いて、新聞紙面をにぎわし、国際紛争の引き金になりかけた。ホワイトハウスの職員らも襲ったため「追放」せざるを得なかったという。

フランクリン・ルーズベルト第32代大統領の愛犬「ファラ」は大統領と一緒にひんぱんに旅をし、MGMの短編に出演したこともある。

ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領とローラ夫人のスコティッシュテリアのバーニーとミス・ビーズリー

ケネディ一家はホワイトハウスでポニーの「マカロニ」や、馬、ハムスター、犬などを飼っていた。

ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領とローラ夫人のスコティッシュテリア「バーニー」と「ミス・ビーズリー」はビデオ作品に登場している。

ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの「ボー」と「サニー」は、バラク・オバマ第44代大統領と一緒にホワイトハウスのイベントに参加した。

トランプ大統領一家はペットを飼っていないが、マイク・ペンス副大統領のところにはさまざまな動物がいる。就任式前にインディアナ州から首都ワシントンへと移動してきた際には、猫の「ピックル」と「オレオ」、さらに、ウサギの「マーロン・バンドー」も一緒だった。バンドーはインスタグラムのアカウントも持っている。

オレオは13年間飼っていたビーグル犬「マーベリック」の後任だったが、1年とたたずにオレオも旅立ってしまった。

ピックルとバンドーが残されたが、副大統領一家はその後、子猫の「ヘイゼル」とオーストラリアン・シェパード犬の「ハーリー」を迎え入れている。

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