(CNN) ヨットで航海に出て遭難し、約5カ月も漂流した末に救助された米国人女性2人が30日、米海軍の艦船で沖縄の米軍基地に到着した。艦船の甲板での記者会見で、生還した喜びなどを語った。
ジェニファー・アペルさんは会見で、「見つけてもらえなければ24時間以内に死んでいた」と話した。
ターシャ・フイアバさんはCNNとのインタビューで水平線に艦船が見えた瞬間を振り返り、「助かった!と思った」「これまでの人生で最高の瞬間のひとつになった」と語った。
2人は昨年5月、ハワイ州ホノルルで住居に使っていたヨットに、愛犬2匹とともに乗り込んで出航。18日かけて仏領ポリネシアのタヒチ島まで航海する予定だったが、激しい嵐やサメの襲撃、エンジンなどの故障が重なり、航路から大きく外れてしまった。
アンテナが壊れて通信機器が使えず、台風に突入することも予想できなかった。何度か島の近くまで漂流しながら惜しくもたどり着けず、涙に暮れた。
2人は交代で睡眠を取っていたが、操縦経験のないフイアバさんの番で風の強さを見誤り、一晩中逆方向へ進んでしまったこともある。
今月25日になって、日本の南東沖約1400キロの海域で漂流中のヨットを見つけた台湾の漁船が米領グアムの米沿岸警備隊に連絡した。救助された時、食料の9割はすでになくなっていた。
2人は沖縄の米領事館で静養している。愛犬2匹は検疫中だ。もともと2人の家だったヨットは今も海の上。積み込んでいた全財産も失った。アペルさんは「これからどうなるのか、何も分からない」と話している。