米司法省、フェンタニル密売で中国籍の2人を起訴

2017.10.19 Thu posted at 12:34 JST

ワシントン(CNN) 米司法省は19日までに、死を招くこともあるフェンタニルやフェンタニル類似薬の違法製造と密売にかかわったとして、中国籍の2人を起訴したと発表した。

フェンタニルはヘロインの50倍もの作用があり、米疾病対策センター(CDC)によれば、フェンタニルや類似薬物のために命を落とした米国人は2016年だけで推定2万人に上る。

司法省の発表によると、起訴されたのは中国籍のシャオビン・ヤン(40)、チアン・チャン(38)の両被告。インターネットや闇サイトを使って米国向けにフェンタニルを販売していたとされる。

買い手の多くはフェンタニルについての知識がほとんどなかったり、純度の極めて高い薬物だとは知らなかったりするまま購入していたという。

2人は密売の痕跡を隠すため複数の人物になりすまし、利益が中国へ送金されていることも隠そうとしていたという。

フェンタニルの成分に手を加えれば、米国や中国で禁止されていないフェンタニル類似薬を生成できることに目を付け、新種のフェンタニルが禁止されるとすぐに新しい類似薬を開発して摘発を逃れていたとされる。

捜査当局はミシシッピ州とノースダコタ州での捜査を通じて2人に行き着き、中国にある化学薬品工場も突き止めた。

ミシシッピ州では2013年の交通違反取り締まりで、ヤン被告につながる薬物密売組織が摘発された。ヤン被告はウェブサイトの広告を通じて全米の複数の都市の顧客にフェンタニルを販売していたとされる。

ノースダコタ州ではフェンタニルの過剰服用で18歳の未成年が死亡した事件がきっかけとなって、闇サイトでフェンタニルが販売されていたことが判明。中国の流通網に関与していたチャン被告の摘発につながった。

チャン被告の密売組織に関連して、カナダ国籍の5人と米国在住の3人も共謀罪で起訴されている。

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