(CNN) 収賄や職権乱用の罪に問われている韓国の前大統領、朴槿恵(パククネ)被告(65)の国際弁護団が、当局の朴被告に対する「重大な人権侵害」に関する報告書をまとめた。18日に国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に提出する方針。
朴被告の人権状況に関する報告書は、国際コンサルティング機関MHグループの弁護団がまとめた。CNNが同弁護団から入手した報告書案によると、朴被告が収監されている監房は汚くて寒く、常に照明が点灯しているため眠ることができないという。
弁護団はこの報告書をOHCHRに提出予定。OHCHRは全加盟国について定期的に人権状況を調査しており、韓国に対する次回調査までは1カ月を切っている。
朴被告が拘置されているソウル拘置所の広報は、弁護団の訴えを否定し、同被告が非人道的な扱いを受けているとは思わないとコメントした。
報告書によると、朴被告は慢性的な腰の痛みやひざと肩の関節炎、副腎疾患、栄養不良などの慢性疾患を抱え、「症状は悪化するばかりで、適切な治療を受けている形跡はない」とされる。
朴被告が床で寝ているという報道にも言及し、ベッドがないために慢性症状が悪化したと主張している。
これに対して拘置所側は、韓国の拘置施設ではベッドは必需品と見なされず、朴被告は折り畳みマットを使っていると説明した。
裁判所は13日に、朴被告の拘置期間の6カ月延長を認めていた。
朴被告は16日にソウル中央地裁で開かれた公判で、数カ月ぶりに公の場で発言した。自身にかけられた罪状については「法の支配の名を借りた政治的報復」と主張。「この6カ月は恐ろしくみじめだった」と述べ、ソウルの弁護団は絶望のあまり辞任したと言い添えた。
連合通信によると、韓国検察トップの文武一(ムンムイル)検事総長は17日、政治的報復の犠牲になったとする朴被告の主張を否定した。
MHグループは、ソウルの弁護団とは別に、国際的な裁判や外交問題を扱っている。過去にはリビアの指導者だった故カダフィ大佐の息子、サフィ・ガダフィ氏の弁護を担当していた。
MHグループ代表は韓国政府に対し、朴被告の人権が侵害されないことを保障する措置を講じるよう促し、「国連の人権記録が汚される前に、まだ軌道修正することは可能だ。だが我々は、公正を勝ち取るために、本件を最高レベルにまで持ち込む用意がある」と強調した。