(CNN) ポルトガルとスペインで大規模な山火事が発生し、16日までに両国の合計で39人の死亡が確認された。
ポルトガルの市民保護当局は16日、これまでに36人の死亡が確認され、約150カ所の火災現場で消防士4000人以上が消火に当たっていることを明らかにした。
負傷者は少なくとも63人に上り、うち消防士1人を含む16人が重傷を負っているという。数人は今も安否が確認できていない。
ポルトガルのコスタ首相は同日、非常事態を宣言し、消火に全力を尽くすと表明するとともに、今後の大規模火災予防に向けた対応を約束した。同国政府は17日から3日間の服喪を宣言した。
先の週末にかけてポルトガル北部で広がった火災は、スペイン北西部のガリシア地方に延焼。同地方で3人が死亡した。道路や学校の多くは閉鎖され、複数の学校に住民のための避難所が開設された。
インスタグラムには、ガリシア地方の山麓にある住宅地に森林火災が迫る映像が投稿されている。
スペイン軍は600人以上を動員して消火活動の応援に当たっている。
ポルトガルとスペインの当局によれば、一部の火災は故意による出火の可能性もある。このところ湿度が低く、気温が異常に高い状況が続いていたことが、火災が燃え広がる原因になった。
ポルトガルの9月は87年ぶりの干ばつに見舞われ、ハリケーン「オフィーリア」から発達した熱帯低気圧の影響で暖かい空気が流れ込んだことも拍車をかけた。
スペインのラホイ首相は16日、ガリシア地方で死亡した3人をしのんで1分間の黙とうをささげた。