スペイン・バルセロナ(CNN) スペイン北東部カタルーニャ州が数日中にも独立宣言に踏み切る構えを見せる中で、同州の最大都市バルセロナで8日、独立を思いとどまるよう求める大規模抗議デモが開かれた。
カタルーニャ州の独立の是非を問う住民投票は1週間前に混乱の中で実施され、州政府側は90%が独立に賛成票を投じたと主張している。
スペイン政府はこれを違法だとして強く非難。残留派の中には投票を違法とみなして棄権した住民もいると思われ、投票結果には住民の真意が反映されていない可能性もある。
投票日以来、独立を求める大規模デモが続く一方で、首都マドリードなどではカタルーニャ独立に反対する大規模デモや、対話を求めるデモが行われていた。
8日のデモ行進はカタルーニャ州の団体の主催で実施され、マドリードの政党が支持。スペイン全土の国民に参加を呼びかけていた。他都市からの参加者数は不明だが、CNNが取材した数人は全員がカタルーニャ州の住民だった。
参加者は赤と黄色のスペイン国旗とカタルーニャ州旗を掲げ、「カタルーニャはスペインだ」と声を上げた。
住民投票を違法とする立場から棄権したというホセ・フランシスコ・サンチェスさん(38)は、「心配はしていない。スペインの法律と欧州の法律を信じているから。法がなければ民主主義はない」と語り、もしカタルーニャ州政府が独立を宣言した場合、警察と軍による介入を望むと話している。
警察が力づくで投票を阻止しようとしたことに対しては、ラホイ首相に対する批判が強まっていた。
アルバ・セバスティアンさん(29)は、もしカタルーニャ州が独立を宣言すれば、住民が同州から流出して経済が悪化するのではないかと不安に思うといい、カタルーニャ州政府とスペイン政府はもっと対話してほしいと話す。
自分がカタルーニャ人かスペイン人かを決めなければならない理由はないとの思いから、「私はカタルーニャに住み、カタルーニャ語を話す。そして私はスペイン人」と言い切った。
カタルーニャで独立反対のデモ