豪、免許証写真で顔認識データベース構築へ テロ対策に活用

テロ対策のため、免許証などの顔写真のデータベースに当局がアクセスできるようになる

2017.10.06 Fri posted at 17:02 JST

(CNN) オーストラリア政府はこのほど、テロ対策の目的で、運転免許証の顔写真を利用して全国民の顔認識データベースを構築する計画を発表した。これに対してプライバシー保護団体は批判を強めている。

計画では、捜査当局がテロ容疑者などを見つけ出す目的で、パスポートやビザ、運転免許証などの顔写真にアクセスすることを認める。「オーストラリア国民の安全を守る」対策の一環としてターンブル首相が4日に発表し、5日に開かれた特別会合で全州および準州の首相が了承した。

施行された場合、仮免許を取得できる16歳以上の国民約1900万人が対象になる可能性がある。

ターンブル首相は4日、記者団に対し、「空港やスポーツ競技場に入ろうとするテロ容疑者を発見・警戒・識別できる威力を想像してほしい」と語った。

米国では連邦捜査局(FBI)が既に、運転免許証などに含まれる4億人以上の写真を記録した大規模な顔認識データベースを構築している。

しかし今回の計画に対してオーストラリアのプライバシー保護団体からは、プライバシーが侵害される恐れがあり、不正アクセスやなりすましにも利用されかねないと危惧する声が上がった。

オーストラリアのターンブル首相

今も運転免許証やパスポート、ビザなどの写真は、オーストラリアの捜査当局に利用されている。しかし新システムではその作業が自動化される。

各州・各準州の首相は特別会合後、「確実なプライバシー保護」を堅持するとの声明を発表した。

4日の発表によると、データベースは主にテロ対策の目的で利用する。しかしプライバシー保護団体は、いずれ軽微な違反を含む犯罪捜査にも利用されかねないと危惧している。

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