スマホメーカーが熱視線、潜在顧客10億人か インド

インドではこの先、スマホ利用の10億人規模での拡大が見込まれている

2017.10.03 Tue posted at 17:51 JST

ニューデリー(CNNMoney) 人口13億人を抱えるインドは、すでに主要なモバイル市場の一つだが、10億人ともされる巨大な潜在力に国内外のスマホメーカーが熱い視線を送っている。

インドでスマートフォンを利用する人の数は3億人と、米国の人口に匹敵しそうな規模だ。インド市場には、韓国のサムスン電子や米アップルをはじめ、中国のOppo(オッポ、広東欧珀移動通信)やVivo(ビボ、維沃移動通信)、小米科技(シャオミー)といった企業が国内ブランドと競争を繰り広げている。

専門家によれば、今後数年で、さらにスマホ人口は50%以上増加する可能性があるという。インド市場は、なぜ、これほど注目を集めているのだろうか。

ひとつには、まだスマートフォンを持っていない人口が10億人いるということだ。

テクノロジー関連のコンサルタント会社カウンターポイント・リサーチによれば、インドでは約6億5000万人が携帯端末を利用しており、そのうちの3億人あまりがスマートフォンを使っている。

このことは、インドがすでに米国以上のスマホ市場であることを意味している。インドの上にいるのは中国だけだ。

インドではまだ約10億人がスマートフォンを持っていないことを意味している。市場機会は大きいといえるだろう。

国民のおよそ3分の2はインターネットにアクセスできていないという

カウンターポイント・リサーチのアナリストによれば、スマートフォン市場の成長という意味では、インドは最高の市場だという。3億人以上が2Gの通信回線を利用しており、これらのユーザーが最終的にはスマホを利用するようになる可能性があるからだ。

カウンターポイント・リサーチの調査によれば、インドの携帯端末利用者の3人に2人は今後1年間で携帯電話のアップグレードを考えているという。これは、人口にすると約4億3300万人に達する。

インドでは、いまだに約9億人がインターネットを利用できていない。

インドの人口の66%超がインターネットへのアクセスがなく、今後10年で何億人もの人々が携帯端末を通じてインターネットにアクセスするようになるとみられている。

カウンターポイント・リサーチのアナリストによれば、携帯端末はすでにインターネットにアクセスするための主要な手段となっている。

最近まで、携帯端末を経由してのインターネットへの接続は非常に高額だった。

だが、インドの富豪ムケシュ・アンバニ氏が1年前に、同氏が展開するリライアンス・ジオの4G回線への接続について新規ユーザーは最初の6カ月間を無料としたことなどにより、価格競争が始まった。こうした状況を受け、インドは世界でもデータ通信料が安い国となった。

結婚式の合間に携帯電話で話すインドの男性

インド市場には、大小さまざまな100を超えるブランドが存在している。

調査会社IDCによれば、サムスンが約25%を押さえて存在感を示しているが、国内外のメーカーもしのぎをけずっている。

アップルの「iPhone(アイフォーン)」は、インドの多くの人々にとって高嶺(たかね)の花だ。彼らの平均年間賃金は約1900米ドルだ。しかし、アップルは今年に入り、より競争力のある商品の提供につなげようと、「インド製iPhone」の生産を開始した。

中国製スマホが過去1年に流れ込み、インド市場の過半数を占めるまでになった。

カウンターポイント・リサーチのアナリストによれば、インドは中国や米国よりも、新規参入がしやすい市場だ。そのため小規模なメーカーでも成長のチャンスがあるという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。