プエルトリコ、ハリケーン死者10人に 通信途絶え孤立

ハリケーンで甚大な被害を受けたプエルトリコの首都サンフアンにある住宅

2017.09.25 Mon posted at 13:19 JST

(CNN) 猛烈なハリケーン「マリア」に直撃された米自治領プエルトリコで、この数日の間に少なくとも10人の死亡が確認された。現地では20日以来、停電が続いて通信網も寸断され、自治体や救急隊を含む数百万人が世界から孤立した状態に置かれている。

23日に現地入りした当局者によれば、携帯電話はつながらず、水も電気もない状況で、道路は押し流されたり残骸でふさがれたりして住民が孤立状態に陥っている。

地元議員のジェニファー・ゴンザレス氏は、「島内の全域で至る所にあらゆるがれきが散乱する壊滅的状況だ」「これほど多くの地域にこれほどたくさん残骸があるとは思わなかった。多くの道路がふさがれ、古い道路は消えてなくなった」と話す。

ロセジョ知事は23日、プエルトリコ各地の自治体関係者など50人あまりと面会した。一部の自治体は被害状況を「人類滅亡のような状態」と報告。民家や商店の略奪も起きているという。

米国のトランプ大統領は、プエルトリコと米領バージン諸島に対する支援を表明している。

プエルトリコ連邦対策本部によると、同地には復興支援のため陸軍予備役4000人が配備された。

食料や水、発電機を積んだ航空機や船舶も、プエルトリコやカリブ海の被災地に到着している。

携帯電話の電波を求めて路上に集まる住民

携帯電話もつながりにくくなり、米本土などではプエルトリコに住む家族と連絡が取れなくなった人たちが不安を募らせる。現地の通信当局によれば、23日現在、携帯電話基地局の95%以上が稼働していない。

稼働している数少ない基地局の近くでは、住民が道路沿いに車を停め、電波を求めて集まっている。

北西部ではグアハタカ川近くのダムが決壊する恐れが強まり、当局が数千人の住民の元を巡回して警戒を促した。「あとどのくらい持ちこたえられるか分からない。構造が重大なダメージを受けている」と当局者は話す。

米国立ハリケーンセンターによると、米東海岸も今後数日のうちにマリアの影響が出る恐れがあり、ノースカロライナ州やサウスカロライナ州などの沿岸部の住民は警戒する必要がある。

マリアの現在の勢力は5段階で下から2番目の「カテゴリー2」で、風速は約50メートル。バハマ諸島東部の大西洋上を時速15キロの速度で北上している。

気象当局によると、米南東部の海岸では今後数日の間、危険な高波や潮流に注意する必要がある。

マリアはドミニカ国とプエルトリコ、ドミニカ共和国、米領バージン諸島、英領タークス・カイコス諸島を直撃した。

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