アップルが「iPhone X」を発表 顔認識機能搭載、ホームボタンなし

「iPhone X」は値段だけでなく修理費も高いことが分かった

2017.09.13 Wed posted at 11:22 JST

サンフランシスコ(CNNMoney) 米アップルは12日、カリフォルニア州クパティーノの新社屋で発表会を開き、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の登場から10年を記念する新モデル「iPhone X(テン)」を披露した。

iPhone Xはホームボタンがなくなり、ユーザーの顔を認識してログオンできる。米国での販売価格は999ドル(約11万円)。

アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)はiPhone Xの発表に当たり、かつての発表会で故スティーブ・ジョブズ氏のお決まりだった「それともう1つ」、という言葉で切り出した。

「私たちはこの言葉に多大な敬意を払っている。だから軽々しくは使わない」。クックCEOはそう前置きし、新しいiPhoneは次の10年の技術への道を切り開くと宣言した。

iPhone Xはホームボタンをなくして画面のスペースを拡大し、前面と背面にガラスを採用。フレームは医療用と同じグレードのステンレススチール製で、耐水性能と防塵性能を備える。専用の充電器の上に置くだけで充電できる無線充電にも対応した。

アップルが「スーパーRetinaディスプレイ」と呼ぶ5.8インチのOLED(有機EL)ディスプレーは、1インチ当たり458ピクセル(ppi)の解像度を実現。次世代高画質技術のHDRに対応し、色彩精度を向上させている。

ホームボタンをなくしたことで、従来のような指紋認証機能はなくなり、代わって「フェイスID」と呼ばれる顔認証技術を搭載した。前面のカメラとセンサーでユーザーの顔を認識し、持ち主かどうかを判別する。顔認識情報は使うごとに蓄積される。暗い場所でも小型照明を使って認識できる。

=Apple

顔認証の方が指紋認証に比べて安全性が高いとアップルは説明する。他人のiPhoneにログインできてしまう確率は、指紋認証では5万分の1だったのに対し、顔認証では100万分の1になるという。

また、フェイスIDを使った「アニモジ」という絵文字も導入され、ユーザーの表情に連動させてアニメ化した絵文字を送信できるようになった。

前面と背面に搭載した12メガピクセルのカメラは、画像の安定化に力を入れた。前面のカメラに加わったポートレートモードは、自撮り写真を革新させるとアップル幹部は強調している。

iPhoneの「8」と「8プラス」もお披露目された

米国での販売価格は容量64ギガバイトのモデルが999ドル、256ギガバイトのモデルが1149ドル。11月3日から出荷を開始する。

iPhoneは「8」と大型の「8プラス」も発売される。携帯電話回線に接続できる腕時計型端末「Apple Watch」の新モデルや、4K対応の「Apple TV」も披露。円形の劇場「スティーブ・ジョブズ・シアター」も初めて公開された。

発表会は故スティーブ・ジョブズ氏を追悼する短編映像で開幕した。

アップルが「iPhone X」をお披露目

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