米ハリケーン テキサス州で9人死亡、降雨量は過去最多に

テキサス州で大雨や洪水による被害が拡大している

2017.08.30 Wed posted at 14:36 JST

(CNN) 大型ハリケーン「ハービー」が熱帯低気圧に変わった後、記録的な豪雨に見舞われたテキサス州ヒューストンでは、洪水の被害がますます拡大し、当局やボランティアによる捜索救助活動が続いている。テキサス州の地元当局によれば、ハービー関連で、これまでに少なくとも9人の死亡が確認された。

29日早朝には、市内で行方不明になっていた警官、スティーブ・ペレスさん(60)の遺体が収容された。ペレスさんは27日の午前4時ごろに自宅を出発し、持ち場の警察署へ向かおうと2時間半にわたって車を走らせた末に流されたとみられる。

ペレスさんの捜索チームは28日、対象範囲を一つの地区に絞った。ダイバーのチームが出動したものの、夜間の作業は危険との判断から、夜明けまで現地で待機したうえで遺体を収容したという。

ハービーは25日に上陸した後、熱帯低気圧に変化して停滞し、ヒューストン周辺に大量の雨をもたらした。市中心部の南東に設置された複数の雨量計でハービーの総雨量が約1220ミリを超え、米本土に上陸した熱帯低気圧による雨量の記録を更新した。

市内の貯水池があふれ、南側のブラゾリア郡で堤防が決壊するなど、被害が拡大している。

浸水家屋は数千戸。これまでにヒューストン周辺で救助された住民は9000人から1万人に上っている。依然として自宅に取り残されている住民も多く、その人数は数万人に上るとの見方もある。被災者の数がさらに増えることは確実だ。

ヒューストンのターナー市長は29日、空き家を狙った略奪行為などを防ぐためとして、午後10時から午前5時までの外出を禁止すると発表した。

コンベンション・センターに避難してきた人々

市内のコンベンション・センターには、1万人以上の住民が避難している。ベッドのない被災者には枕と毛布が配られているという。

市当局はツイッターを通し、市内の避難所では移民に身分証明書の提示を求めない方針を示した。

熱帯低気圧はいったんメキシコ湾へ抜けたものの、30日午前にはルイジアナ州境付近に再上陸する見通し。テキサス州東部とルイジアナ州西部でさらに200~300ミリの激しい雨が降る恐れがある。

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