日本の捕鯨船妨害活動、シー・シェパードが中止を発表

支援者に語り掛けるポール・ワトソン氏=2016年

2017.08.30 Wed posted at 13:37 JST

(CNN) 日本の捕鯨妨害活動で知られる環境団体シー・シェパードが、日本の技術に対抗できなくなったとして、捕鯨船の追跡を中止すると発表した。

シー・シェパード創設者のポール・ワトソン氏は28日の声明で、「日本が軍事偵察を動員し、衛星を使ってシー・シェパード船の動きをリアルタイムで監視するようになった」と述べ、妨害活動はほぼ不可能になったと指摘。「軍用級の技術とは競争できない」と認めた。

米国の裁判所は昨年、日本鯨類研究所の訴えを認め、シー・シェパードに対して捕鯨船への衝突や接近を禁じる仮処分命令を言い渡した。

これに対してシー・シェパードのオーストラリア支部は、米裁判所の司法権はオーストラリアの領海には及ばないとして、日本の捕鯨船の妨害活動を続けると宣言していた。

しかしワトソン氏は、偵察技術の利用やシー・シェパード対策を目的とするテロ対策法の成立、日本が捕鯨船の護衛に軍用艇を派遣する構えを見せていることを挙げ、「我々の限られたリソースを、介入に成功する見込みが薄い南極海での再度の活動に費やすか、別の戦略や戦術でグループを再編するかの判断を迫られた」と説明している。

日本の外務省や日本鯨類研究所からコメントは得られなかった。

釧路港に水揚げされたミンククジラ=2013年

ワトソン氏はオーストラリア政府についても、「シー・シェパードを支援する代わりに日本の捕鯨を支援して、シー・シェパードの活動を妨害したり、我々を慈善団体と認めないことによって資金集めを妨げたりしている」と批判した。

シー・シェパードは日本の捕鯨船の妨害活動は停止するものの、捕鯨船を追跡し、捕鯨をやめさせる取り組みは継続すると宣言。「今も泳ぎ、繁殖している何千頭ものクジラは、我々の介入がなければ死んでいた」と主張している。

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