(CNN) カタールは24日、召喚していた駐イラン大使を復帰させると発表した。周辺諸国の反発を買うのは必至で、中東における外交危機は深刻の度をさらに増す恐れがある。
カタール外務省は声明で、「あらゆる分野でイランとの関係を強化する」考えを示した。
声明によれば両国の外相は同日、電話会談を行い、「共通の関心事」や「両国関係」について話し合ったという。また、カタールの駐イラン大使は「外交的義務」を果たすためイランに戻るとした。
サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など周辺4カ国は6月以降、イランとの関係を絶つことを求めてカタールとの国交を断絶、経済封鎖を行っている。
4カ国はまた、テロ組織との関係を絶つことやカタール国内のトルコ軍基地の縮小、衛星テレビ局アルジャジーラの閉局を要求した。
これまでカタールは、これら要求の多くを無視する一方で、外交的解決策を模索していた。
一方で、イランとトルコからの食料輸入や、米国とロシアからの平和的な外交的解決を求める呼びかけにより、カタールへの圧力はある程度、緩和されていた。
先週、サウジは聖地メッカへの巡礼者を受け入れるため国境を開くとともに、カタール人巡礼者の滞在費用を支払うと発表。サルマン国王も巡礼者を運ぶためにプライベートジェットをカタールに派遣した。
カタールのムハンマド外相はこうした動きについて「政治的意図がある」との見方を示しつつも歓迎すると述べていた。
カタール政府は国境封鎖のために自国民がメッカに巡礼できないと不満を表明しており、一部アラブ諸国からは巡礼を政治問題化しようとしていると批判が出ていた。