北朝鮮、公開写真に新型ミサイルの兆候

新しいロケット「北極星3」を示すパネルなどが背景に写っている

2017.08.23 Wed posted at 21:19 JST

(CNN) 北朝鮮は23日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がミサイル技術の研究所を視察する姿の写真を公開した。米専門家らの指摘によると、写真の背景には固体燃料を使った新型ミサイルの開発を示唆するパネルなどが写っている。

朝鮮中央通信(KCNA)によると、正恩氏はこのほど国防科学院の化学材料研究所を訪れ、固体燃料方式のロケットエンジンや弾頭の生産をさらに進めるよう指示したという。

米モントレー国際問題研究所核不拡散研究センターの専門家、デービッド・シュマーラー氏によると、北朝鮮は一連の写真の中で、固体燃料の研究が順調に進んでいることを示そうとした可能性がある。

視察風景を伝える1枚の写真では、壁のパネルに「北極星3」というミサイルの名がはっきりと書かれている。北朝鮮はこれまでに「北極星」と呼ばれる潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)や、SLBMの地上配備版「北極星2」の発射実験を実施。いずれも固体燃料が使われた。「3」は後継の新型ミサイルと考えられる。

フィラメントを巻いた強化プラスチック製のモーターケースとみられる円筒も

同センターのマイケル・ドゥツマン氏によると、固体燃料は従来の液体燃料のように直前に燃料を注入する必要がなく、準備時間が大幅に短縮される。燃料を入れた状態で保管し、どこへでも移動してすぐ発射することができるため、兆候を察知される可能性も低くなる。米国とロシアが保有する弾道ミサイルは全て固体燃料方式だという。

KCNAが公開したもう1枚の写真には、フィラメントを巻いた強化プラスチック製のモーターケースとみられる円筒が写っていた。金属でなくプラスチックを使うことでミサイルが軽量化し、射程を伸ばすことができると、専門家らは指摘している。

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