フェニックス(CNN) トランプ米大統領は22日、アリゾナ州フェニックスで大規模な集会を開き、支持者らの前で演説した。メキシコ国境の「壁」建設など、大統領選での公約を実行する構えを改めて示して拍手を浴びた。
トランプ氏の演説は1時間17分に及んだ。
同氏は数千人の支持者らを前に、バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者らと反対派が衝突した事件の後、自身が演説した3回分の原稿を取り出した。これまでの発言をたどり、対応に非はなかったと主張した。ただし、事件直後の声明で「多方面」に責任があると述べて非難を浴びたことには触れなかった。
シャーロッツビルの衝突の発端となったのは、南北戦争で奴隷制度を擁護した南軍の指導者像を撤去する計画に対し、白人至上主義者らが開いた抗議集会だった。トランプ氏は演説で、南軍の像が撤去される動きを「意気地のない人々」が容認していると主張。「かれらは我々の文化を、我々の歴史を奪おうとしている」と、撤去推進派を非難した。
トランプ氏はこのほかにも、共和党主流派の意向やホワイトハウスの懸念をよそに、支持者らに同調しようとするような発言を繰り返した。
メキシコ国境の壁については、予算獲得のために米政府機関が閉鎖されることになっても「建設する」と明言した。
カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)にも言及し、「どこかの時点で終わらせることになるだろう」と述べた。
また、上院で議事進行妨害を回避し、法案を採決にかけるのに60票以上の賛成が必要とされる現行のルールについて、「これをなくさなければわが共和党は何一つ法案を成立させることができない」と力説した。ルール変更には共和党の重鎮、マコーネル上院院内総務らが強く反対している。
さらに、同州マリコパ郡で不法移民の取り締まりを強硬に主張し、法廷侮辱罪で有罪となったジョー・アルパイオ元保安官に恩赦を与える意向を示唆した。サンダース大統領報道官はこの日の演説に先立ち、元保安官の恩赦が話題になることはあり得ないと断言していた。
トランプ氏は集会に先立ち、メキシコ国境に近い同州ユマの基地を視察した。フェニックスでは市長をはじめ、民主党支持者らがトランプ氏の訪問や集会開催に強く反対し、大規模な抗議デモも実施された。
シャーロッツビルの対応について弁護も