トランプ氏、アフガン新戦略で演説 「米国の結束」も訴え

アフガニスタンでの新たな戦略を発表するトランプ大統領

2017.08.22 Tue posted at 16:16 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領は21日夜のテレビ演説で、アフガニスタンでの新たな戦略を発表した。演説の冒頭では米国民の結束が重要だと強調した。

トランプ氏の演説は、バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義者らと反対派の衝突をめぐり、同氏の対応に批判が集中するなかで行われた。

演説の冒頭では「地域社会の一員が受ける傷は我々全員の傷」「米国の一部が感じる痛みは全員の痛みだ」と語り、国内情勢の修復を図る姿勢を印象付けた。

「米国を愛するには全ての国民を愛する必要がある。我々が愛国の情に心を開く時、そこに偏見が入り込む余地はない」「我々自身が互いに平和な関係になければ、世界に平和をもたらす国であり続けることはできない」と述べ、国民の結束を訴えた。

そのうえで、アフガン戦略の主な目標として過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を殲滅(せんめつ)し、反政府勢力タリバーンによる政権奪回を阻止することを挙げた。これらの目標を達成するため、米軍がアフガンでテロ容疑者やテロ組織を攻撃できる権限を拡大すると表明した。

トランプ氏は一方で、アフガンを無制限に支援するわけではないと強調し、アフガン側も努力を続けるよう促した。

同氏はまた、米軍はアフガンからの撤退を急ぐべきではないとの立場を示した。イラクでは米軍撤退後の空白がISISの勢力拡大につながった経緯を踏まえ、「イラクでの過ちをアフガンで繰り返すわけにはいかない」と語った。

主要な目標としては、ISISのせん滅やタリバーンの阻止を掲げた

アフガンや世界のテロ勢力を「負け犬」にすぎないと切り捨て、「我々が簡単に倒してみせる」と強気の姿勢を示す場面もあった。

作戦の日程を事前に発表することは控え、部隊の規模や今後の軍事行動の計画も明かさないとしたうえで、「いつとは言わないが必ず攻撃する」と宣言した。

アフガンの隣国パキスタンに対しては、「テロ組織をかくまっていることにこのまま口をつぐむわけにはいかない」と警告。さらにインドにも「アフガンへの経済支援や開発の分野でもっと協力してほしい」と呼び掛けた。

トランプ氏、アフガン新戦略で演説

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