脳炎で入院の子ども68人相次ぎ死亡、当局が調査 インド

インドの公立病院で入院中の子どもが相次いで死亡し、家族に不安が広がっている

2017.08.16 Wed posted at 17:18 JST

インド北部ゴーラクプル(CNN) インド北部ウッタルプラデシュ州の都市ゴーラクプルにある公立病院で今月、脳炎で入院していた子どもたちが相次いで死亡し、州当局が調査に乗り出している。

この病院は医科大学に付属する900床の医療機関。インド保健省によると、子どもたちは急性脳炎症候群(AES)で入院していた。現地のCNN系列局は、今月7~11日に60人が死亡したと伝えた。同病院で脳炎病棟の責任者を務めていたカフィール・カーン医師によれば、その後さらに8人が死亡している。

患者の家族らは、子どもたちが酸素不足で亡くなったと主張。治療に使われる酸素ボンベの供給が、病院側の料金滞納でストップしたと訴えている。治療中の患者の家族が心配し、急いで退院させようとするケースも相次いでいる。

カーン医師は酸素を調達するため、自ら近くの民間老人ホームへ出向いたとして英雄視されていたが、13日付で病院を去った。その理由は明らかでない。

同医師の説明によると、子どもたちの死因は呼吸不全や心停止、多臓器不全などと報告されているものの、解剖で検証された例はない。

医大の責任者は道義的責任を負うとして辞表を提出し、12日以降停職扱いとなっている。

集中治療室で患者を診察する看護師

インドのモディ首相は15日、独立記念日の演説でこの問題に言及し、「罪のない子どもたちの死」に弔意を表した。

AESの流行はモンスーンのシーズンと重なることが多い。州保健当局の責任者は先週の記者会見で、同病院は重症患者が多く、この時期に多数の死者が出ることは珍しくないと指摘。ここ数年を振り返っても8月は500人以上の子どもが死亡していると強調した。

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