子どもの写真を安全に共有するために――ネット投稿には細心の注意を

子どもの写真を安全に共有するためには?

2017.08.07 Mon posted at 16:34 JST

サンフランシスコ(CNNMoney)  元検事のアリソンさん(仮名)は、妊娠が分かった時点で家族に超音波写真を送ったが、同時に子どもの写真は決してインターネットに投稿しないと約束させた。

検事として多くの性犯罪者に接し、一見無害な子どもの写真が悪用される現実を目の当たりにしてきたアリソンさん。報復を狙う犯罪者に、ネットで追跡される恐れもあった。

俳優や政治家、ジャーナリストなどにとって、家族の写真の共有は危険を伴いかねない。ジャーナリストのデービッド・フレンチ氏は、ネット右翼の標的にされ、7歳の娘がガス室にいるように加工した写真を投稿される被害に遭った。

悪用される心配をせずに親類と写真を共有する方法を以下に紹介する。

超神経質な対応

最も安全な方法は、写真を印刷して(自分のプリンターで安全な無線ネットワークを利用する)、祖父母に手渡すことだ。

それに次いで安全な方法として、「Signal」「WhatsApp」、アップルの「iMessage」のように端末間の内容が暗号化されるメッセージングアプリを利用してもいい。こうしたアプリでは、特定の相手またはグループ向けに、スマートフォンから直接写真を送信できる。安全を期するために、メッセージが消滅する機能を使って、相手が見た後、または一定期間が経過した後に、写真を消去する。

ただし、これを使うためには相手も同じアプリをインストールしておく必要がある。アルバムの共有や、写真のバックアップの用途には向かない。

それなりに慎重な対応

超有名人ではなく、ある程度ガードを下げてもいいと判断した場合は、名のある企業の専用写真アプリを使えば画像共有をもっと楽しむことができる。自分のスマートフォンに何かあった場合のバックアップにもなる。

アップルの写真アプリもグーグルの写真アプリも、家族アルバムなどの写真を安全に共有できる。両社とも現時点で、広告を目的とした写真のスキャンは行っていない。顔認識機能はあっても、自分自身のライブラリー用に使われるのみで、大型のデータベースには記録されない。

アップルではプライバシーへの配慮から、検出した顔や物体をグーグルのようにサーバーに保存することはせず、ユーザー本人の端末に保存している。

ソーシャルメディアでの共有

フェイスブックのようなソーシャルメディアは、写真の共有には最も便利だが、範囲の広さやデータ収集、分かりにくいプライバシー設定は保護者にとって不安がある。フェイスブックは巨大な顔認識情報のデータベースも運用している。ただ、その情報を外部の広告会社に売ったりしないとは説明している。

たとえ画像を非公開にしても、プロフィルの関連付けで自分とつながる可能性はある。これは荒らしを狙う相手の出発点として好都合だ。相手はあなたのアカウントを乗っ取ろうとしたり、偽のプロフィルを作成してあなたと友達になることによって、アクセスを確立しようとしたりするかもしれない。

プロフィル写真の設定などにも気を付けよう

「どんな共有でも、一般に知られている人物にリンクされれば問題だ」と専門家は指摘する。

それほど極端な心配はしていないという人も、やはり注意は必要だ。子どもの写真共有には非公開のグループを作成し、不快を感じる友人はリストから削除する。現在と過去の写真全てについて共有設定を確認する。特にプロフィル写真は初期設定で公開になっている。インスタグラムのアカウントは非公開に設定する。ツイッターには一切、子どもの写真を投稿してはいけない。

ソーシャルメディアでも専用の写真アプリでも、可能な限り2段階認証を有効にする。

自分の意思は、家族に伝えて徹底させる。これまでのところ、アリソンさんの決めたルールは誰にも破られていないという。「全ての犯罪から子どもを守ることはできなくても、写真を投稿しないことは、子どもを守る極めて簡単な手段になる」とアリソンさんは話している。

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