英国、南シナ海に空母派遣の可能性 中国反発

英空母「クイーン・エリザベス」

2017.07.29 Sat posted at 17:07 JST

香港(CNN) 中国外務省報道官は29日までに、英国が空母2隻を領有権論争が続く南シナ海へ派遣し警戒任務に従事させる可能性があるとするジョンソン同国外相の発言を受け、「一定の域外諸国は地域情勢にかく乱をもたらす姿勢を強めている」と非難した。

ジョンソン外相は27日、訪問先のオーストラリアで英国が建造中の空母2隻が最初に命じられるであろう任務の1つは南シナ海で航行の自由作戦に当たることだと主張。

派遣される空母は明確にしなかったが、同作戦は法治に基づく国際システム維持への信念を立証するものと強調。また、世界貿易に絶対的に不可欠である水路での航行の自由への信念を証明するものであるとも述べた。

同外相は豪州シドニーでの行事で演説し、南シナ海論争の全当事国・地域に航行の自由と国際法への尊重を要請。英国の海軍艦船はインド洋と南シナ海をつなぐマラッカ海峡を通じて航行するだろうとも述べた。ただ、空母派遣の時期には触れなかった。

各国の領有権主張が衝突する南シナ海

これに関連し、ファロン英国防相はロイター通信との会見で、空母派遣の地域は最終決定されていないと指摘。その上で、「我々は南シナ海での航行で中国の制約は受けないだろう」と付け加えた。

英国の空母2隻は全長280メートル、重さ6万5000トンの「クイーン・エリザベス」と「プリンス・オブ・ウェールズ」で現在、試験航行などが続いている。英国が導入を決めた最新型戦闘機F35が搭載される予定。

英中関係は、キャメロン前首相時代は関係が緊密化していたが、欧州連合(EU)からの離脱を決めたメイ首相になってからは陰りが出始めている。メイ氏はむしろ、経済面を含む対米関係の強化に力点を置いている。

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