トランプ氏、プリーバス首席補佐官を更迭 後任はケリー氏

CNNのインタビューに応じたプリーバス首席補佐官

2017.07.29 Sat posted at 11:36 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領は28日、プリーバス大統領首席補佐官を更迭し、後任にケリー国土安全保障長官を起用する人事を発表した。プリーバス氏側は前日に大統領に辞表を提出したとしている。

トランプ氏は同日午後5時ごろ、ツイッターで「私はたった今、ジョン・F・ケリー元大将・(国土安全保障)長官をホワイトハウスの首席補佐官に指名した」と表明。「彼は偉大な米国人であり、偉大なリーダーだ。国土安全保障省でも素晴らしい仕事をしてきた。私の政権の真のスターだ」と述べた。

プリーバス氏は同日夕、ホワイトハウスからCNNの番組のインタビューに応じ、「大統領は別の方向に向かうことを望んだ」と言及。「大統領にはリセットボタンを押す権利がある。リセットボタンを押すのに良い時期だと思う。大統領は正しい選択を下したと思う」と述べた。27日に内々に大統領に辞表を提出したとしている。

またケリー氏の任命については「聡明な選択だ」と語り、31日から2~3週間で引き継ぎを行う予定だとしている。

ただ、トランプ大統領が首席補佐官の交代を発表するまで、プリーバス氏の関係者は辞任の意向を否定。発表後に初めて前日に辞意を伝えていたと説明した。別のホワイトハウス関係者はこの点、突然のケリー氏任命にプリーバス氏や側近が体面を繕おうとしているのではないかと語った。

トランプ大統領はケリー国土安全保障長官を首席補佐官に据える

プリーバス氏をめぐっては、近く政権から追放されるのではないかとの観測が数カ月にわたり再三浮上していた。同氏は相次ぐリークを阻止できていないとして政権内で強く批判され続けたほか、論争に見舞われ混乱するホワイトハウス内に秩序をもたらすのに苦慮してきた。

プリーバス氏はまた、ホワイトハウスによる立法府への対応が相次ぎ頓挫していることに関し、責任の大部分を負う形にもなった。プリーバス氏が非主流派のトランプ大統領により政権に招かれた背景には、ワシントンにおける同氏の人脈が一因としてあった。

プリーバス氏が失脚する最終的なきっかけとなったのは、21日にスカラムッチ氏がホワイトハウスの広報部長に指名されたことだ。プリーバス氏はスカラムッチ氏の政権への参加に反対してきた。

当初は両氏とも連帯感を装っていたが、スカラムッチ氏は指名の数日後にはメディアに出演。プリーバス氏を「妄想型の統合失調症」だと評し、ホワイトハウス内からの相次ぐリークに関してプリーバス氏に責任があると示唆していた。

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