北ミサイルで安保理緊急会合 米大使、軍事力行使にも言及

米国のヘイリー国連大使

2017.07.06 Thu posted at 09:54 JST

(CNN) 北朝鮮による初の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験を受けて5日、国連安全保障理事会の緊急会合が開かれた。米国のヘイリー国連大使は今回のミサイル実験を「明白な軍事的エスカレート」と形容。中国など北朝鮮を支援する国に対しても、支援をやめなければ米国が貿易停止に踏み切る可能性を示唆した。

「米国はあらゆる能力を行使して我が国と同盟国を守る」とヘイリー大使は強調。「我々の能力の1つは相当な軍事力にある。もしそうせざるを得ない場合はこれを行使する。だがその方向へ行かずに済むことを望む」とした。

ヘイリー大使はまた、世界に対しても外交的、経済的対応の強化を訴え、「国連安保理決議に違反して北朝鮮との貿易を許し、奨励さえしている国々がある」「そうした国々は米国との貿易を続けることも望むだろうが、それは起こらない」と牽制(けんせい)した。

中でも中国については、北朝鮮の貿易の90%は中国が相手国だと述べ、「国連による制裁を執行する責務の大部分は中国が担っている」「我々は中国と連携する。だが、この暗黒の日をもたらした過去の不適切なアプローチは繰り返さない」と言明した。

トランプ大統領は同日午前、ツイッターへの投稿で、「中国と北朝鮮との貿易は第1四半期で約40%増大した。中国の我々との連携はこんなものだ。だが我々は試さなければならなかった」と書き込んだ。

これに対してロシアと中国は、北朝鮮を交渉のテーブルに引き戻すため、北朝鮮に弾道ミサイル実験を中止させると同時に、米韓の合同軍事演習も中止させるという提案を打ち出している。

ロシアのサフロンコフ国連副大使は、今回の発射実験がICBMだったのかどうかも疑問だと述べ、制裁では事態は解決できないとの見解を示した。

北朝鮮はICBMの発射実験に成功したと発表した

安保理議長を務める中国の劉結一・国連大使は、制裁問題には言及せず、北朝鮮がICBMを発射したとして非難した。一方で、米軍が高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)を韓国に配備したことについても、「(中国の)戦略安全保障上の利益を著しく損なう」と批判、北朝鮮の非核化にはつながらないと指摘した。

会合前に記者団から北朝鮮制裁の強化について質問された劉大使は、それは理事国次第だと述べ、自身の立場は明らかにしなかった。

米国連大使、「そうせざるを得ない場合は」軍事力も

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