米、北のミサイルをICBMと確認 世界に行動呼び掛け

北朝鮮が4日発射したミサイルについて、米国がICBMだったと認めた

2017.07.05 Wed posted at 11:55 JST

(CNN) 米国のティラーソン国務長官は4日、北朝鮮が同日発射実験を行ったミサイルが大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったことを確認したうえでこれを強く非難する声明を発表した。

その中でティラーソン氏は「世界規模の脅威を食い止めるには世界規模の行動が必要になる」と指摘。「いかなる国であれ北朝鮮からの出稼ぎ労働者を受け入れたり、同国に経済的、軍事的な利益をもたらしたり、国連安保理決議の完全な履行を怠ったりすれば、それは危険な体制を支援し、幇助(ほうじょ)していることになる」と強調した。

米軍は当初、北朝鮮が発射したのは一段式の中距離弾道ミサイルとの見方を示していた。しかしその後の分析で、2段式のICBMだった可能性が高いとの見解に修正したという。

分析の進行状況を知る米当局者によれば、2段目の点火にも成功し、それによって飛行時間が30秒延びた。ミサイルは880キロ以上飛行して日本海に落下したとみられる。

北朝鮮はその日のうちに、ICBMの発射実験が成功したと宣言していた。

米国では独立記念日の4日に襲った予想外の事態を受けて、トランプ政権の国家安全保障、国防、外交当局者らが会合を繰り返し、対応策を協議しているという。

ある当局者がCNNに語ったところによると、具体的な対応策はまだ決まっていないが、北朝鮮周辺に米軍の部隊や航空機、艦船などを増派する案や、北朝鮮への制裁を強化する案が検討される見通しだ。

北朝鮮への対応として、ティラーソン米国務長官は世界規模の行動の必要性を訴えた

さらに米国防総省はアジアの同盟諸国や世界に向け、米軍によるミサイル防衛システムは万全の準備態勢にあることを改めて表明するとみられる。

専門家は今回のミサイルについて、米アラスカ州が射程に入る可能性を指摘している。しかし米国によると、現時点で北朝鮮が実際にアラスカまで届くミサイルを発射する能力を獲得したとは言いきれない。また、核弾頭のミサイル搭載に必要な小型化技術を獲得しているかどうかも不透明だ。

だがいずれにしても、米軍は最悪のシナリオに備えるというのが長年のスタンスだ。米太平洋軍のハリス司令官は北朝鮮の弾頭小型化技術に関する最近の発言で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の主張を「言葉通りに受け止めて備える必要がある」と強調した。

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