ロシア介入、オバマ氏は知りつつ「対応せず」 トランプ氏が批判

トランプ大統領は、オバマ前政権について、ロシアの介入について知っていながら対応しなかったとして批判した

2017.06.25 Sun posted at 15:03 JST

(CNN) 昨年秋の米大統領選にロシアが介入したとされる問題をめぐり、オバマ前大統領は選挙の数カ月前から介入の事実やプーチン・ロシア大統領の関与を知っていたと米紙が報じた。トランプ大統領は、オバマ氏がこれに対して「何もしなかった」と批判している。

米紙ワシントンポストが23日、オバマ前政権当局者だった人物の話として伝えたところによると、米中央情報局(CIA)は大統領選前の段階で、プーチン氏がトランプ氏を有利にするためのサイバー作戦に直接関与したと判断。これをオバマ前政権に伝えていた。

前政権は報告を受け、数十件の対応策を検討した。この中には経済制裁のほか、ロシアのインフラにサイバー攻撃を仕掛けたり、プーチン氏にとって不名誉になる情報を公開したりする報復措置も含まれていた。

だが結局は「いわば踏みとどまったような」形になったと、この人物は指摘。「私が前政権の内部にいた期間の中で、最も擁護しがたい」対応だったと語っている。

前政権はロシアに対して複数の警告を発したものの、オバマ氏が承認したのは結局、ロシア外交官数十人を国外退去処分にし、関連施設を閉鎖するという「形だけの措置」(同紙)にとどまった。ロシアへのサイバー攻撃は、オバマ氏退任の時点でまだ計画段階だったという。

トランプ氏は同紙の報道を受け、25日午前放送のテレビ番組でオバマ氏を批判。「オバマ氏が選挙のずっと前からロシアの件を知っていながら、何も手を打たなかったことを初めて知った」「情報があったのになぜ何もしなかったのか」と語った。

ワシントンポストが40人近い前政権高官らに取材したところによれば、オバマ氏が当時、ロシアに対して強硬な態度を示した場合、大統領選の民主党候補、クリントン氏に肩入れしているとの印象を与える恐れがあった。オバマ氏は、そのような批判を避けつつロシアに対抗するという難しい選択を強いられたとみられる。

一方、オバマ氏の大統領次席補佐官を務めていたブリンケン氏は23日、CNNの番組で、前政権はロシアの介入を阻止するために多大な努力を重ねたと反論した。

同氏によれば、オバマ氏が昨年9月、中国で開催された20カ国・地域(G20)首脳会合の場でプーチン氏に直接強く警告した後、ロシアの介入活動はなくなった。ただ、その時点ですでに選挙への影響は避けられない状況だったとされる。

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