ジャクソン・ポロックの作品、車庫で発見 予想価格16億円

作品の鑑定に大金が費やされたという

2017.06.13 Tue posted at 12:23 JST

(CNN) 米ニューヨークの近代画家ジャクソン・ポロックが1940年代に制作したとされる希少な作品が、米アリゾナ州の個人のガレージの中から数十年ぶりに発見された。今月20日のオークションに出品される予定で、主催者によると、落札価格は1500万ドル(約16億円)に達する可能性もある。

発見のきっかけになったのは、全米プロバスケットボール協会(NBA)ロサンゼルス・レイカーズの署名入りポスターだった。

アリゾナ州スコッツデールに住む男性が老人ホームへ入居することになり、引っ越しを手伝った知人が男性の自宅のガレージの中でこのポスターを発見。専門家に鑑定を依頼するよう促した。

鑑定に訪れたオークションハウス経営のジョシュ・リバインさんは、レイカーズのポスターに約300ドルの値を付けた。

しかしガレージの中を調べたところ、男性が持っていた現代画のコレクション数枚を発見。その中の1枚は、散りばめた絵の具が渦を巻くような独特の構成が、ポロックの作風にそっくりだった。

リバインさんはこの作品をオフィスに持ち帰り、3カ月がかりで絵画が男性の手に渡った経緯などを調査した。

その結果、男性と半分血のつながった姉妹のジェニファー・ゴードン・コスグリフさんが、ニューヨークの社交界で芸術界の大物と親交していたことが判明。その仲間内にいたのがジャクソン・ポロックだった。

コスグリフさんが1990年代に死去すると、アリゾナ州の男性は所持品を引き取り、ガレージに片付けたまま2016年1月まで放置していた。

リバインさんは、この絵画が本当にポロックの作品かどうかを確かめるための調査を続け、コスグリフさんがポロックから絵画を入手したと思われる場所を突き止めると、科学捜査の専門家に依頼して絵画を調査してもらった。

芸術家たちと交流があったというジェニファー・ゴードン・コスグリフさん

その結果、水と結合剤を使ったグワッシュと呼ばれる独特の技法が使われていたことが分かり、ポロックの1945年から49年ごろの作品と思われることが確認された。

ただ、絵画は傷みが激しく修復が必要な状態だという。手作業による洗浄も含めた修復作業は2週間を要し、5万ドルの経費がかかる可能性もある。

それでも20日のオークションには開始価格500万ドルで出品。落札価格は1000万~1500万ドルに達するとリバインさんは予想している。

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