ホテルに泊まってIQ向上? 脳を刺激する新機軸あれこれ

ホテルに泊まって脳を刺激?

2017.09.06 Wed posted at 11:32 JST

(CNN) ホテルもちろん、ホテルには寝心地の良いベッドと温かいシャワーがあれば、それで十分だろう。ただ、場合によっては単なる就寝の場所以上のものにもなり得る。ホテルはこれまでにない形で進化しており、宿泊客により強い印象を残す刺激的な体験を取りそろえている。

たとえば、英ロンドンのコリンシアホテルは旅行客が頭を明快にするのを助けるため、専属の脳科学者を用意している。

同ホテル付きの脳科学者、タラ・スワート氏はCNNの取材に、「長距離便が脳に与える影響は極めて破壊的なものになりかねないと聞くと、旅行客は大抵驚く」と指摘。「コリンシアの宿泊客は注目度が高く、厳しい仕事に就いている場合が普通だ。仕事に当たっては脳をピークの状態に持って行く必要がある」と述べる。

同ホテルの脳を鍛えるコースには、専用のスパ施術や食事、ノンアルコールカクテルなどが付いている。いずれも栄養や水分補給、睡眠、精神集中といった重要分野に対応することで脳の力を向上させるのが狙いだ。

スワート氏は同ホテルのシェフと話し合い、脳機能を向上させると科学的に証明されている食事を選んだ。例えば、ナッツなどの入った料理にはマグネシウムが豊富に含まれている。これはストレスホルモンとして知られるコルチゾールの血中濃度を下げる効果があるという。

スワート氏はまたホテルで講演も行っている。扱う内容はテクノロジーが脳に与える影響など、あらゆる範囲に及ぶ。

「ホテルは精神の回復力の差を観察するうえで非常に興味深い場所。回復力を向上させる方法についての示唆を与えてくれる」「ユニークな小宇宙であり、時差ぼけや会議、睡眠不足に至るまで、種類・量が異なるさまざまな精神的重圧にさらされた人々が集まっている」(スワート氏)

ロンドンのコリンシアホテルは頭脳を明快にするのを助けてくれるという

ホテル世界大手のマリオット・インターナショナルは創造的な思考を促すため、各分野のリーダーの講演を手掛ける非営利団体TEDと提携。宿泊客に独占配信される動画を製作している。

TEDフェロープログラムの話し手と協力し、ブログや音声、動画を開発する。いずれも部屋に取り付けられたシステムで視聴可能だ。

こうした動画に加え、米シアトルや英ロンドンなどの主要都市でTEDのトークライブも開催している。

オーストリアのウィーンにあるホテル・シャニー・ウィーンはこの一歩先を行っている。世界最初の「協働」ホテルのひとつとして2015年にオープンした。

宿泊客ができる限り生産的かつ効率的でいられるよう、オンライン上での部屋の選択やモバイル端末を利用した鍵、仮想通貨ビットコインによる支払いなど、時間節約の工夫を前面に押し出している。

また、宿泊客の感性を刺激することも狙っている。開放的な間取りは、150年前のウィーンのコーヒーハウスで発想を交換していた過去の芸術家や画家に敬意を表したものだ。

旅行客はホテルの「リビング」で刺激的な体験を伝えることができる。リビングは地元や世界の企業とのやり取りや協力関係を円滑化する目的で設置されている。

最高経営責任者(CEO)のベネディクト・コマレク氏は「旅行客は地元の人と会ったり、共同でプロジェクトに取り組んだりできるほか、単純に仕事のためのスペースや施設を確保する目的でも使用可能だ」と話す。

このほかライブ演奏や産業界のリーダーによる講演、人脈作りのためのイベントなども開催している。

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