(CNN) 英王室のウィリアム王子はこのほど男性向けファッション誌「GQ」英国版とのインタビューで、20年前に母ダイアナ元妃を失ってからの心境などを率直に語った。
GQがインタビューの一部とともに公開した写真には、ウィリアム王子が庭で妻キャサリン妃とともにくつろいだ表情を見せ、長男ジョージ王子、長女シャーロット王女の遊ぶ姿を見守る姿が写っている。
インタビューは、王子が昨年からキャサリン妃、弟のヘンリー王子とともに取り組んできた心の健康管理にかかわる慈善事業「ヘッズ・トゥゲザー」の一環として行われ、これまでになく率直な内容となった。
ダイアナ元妃は1997年8月、ウィリアム王子が15歳の時に交通事故で亡くなっている。王子は「今なら母のことを以前より率直に話すことができる」「この段階までたどり着くのに20年近くかかってしまった」と話した。
当時受けた心の傷を振り返り、普通の人々が愛する相手を失う状況とは異なる面があったと指摘。「だれもが事情を知り、母のことを知っていたから」と語った。
世間の注目を浴びながら悲しみと向き合っていた当時、家族が支えとなり、プライバシーを守ろうと闘ってくれたことには深く感謝しているという。
王子はさらに「私にとって家庭の安定はとても重要。子どもたちを幸せで安定した、安心できる環境で育てたい」と強調した。
「ジョージ王子には宮殿の壁の中で育つのでなく、世間へ出ていってほしい。メディアの目があるので難しいが、私は子どもたちが普通の生活を送れるように闘っていくつもりだ」とも語った。
また「母からアドバイスがほしかった。母が妻と出会い、子どもたちの成長を見守ってくれていたらと強く思う。これからも決して出会うことはないのだと思うと悲しい気持ちになる」と、胸の内を明かした。
ヘンリー王子も先月、英紙とのインタビューで母の死について語り、大人になってから専門家のカウンセリングを受けたことを告白していた。
ウィリアム王子は「ヘッズ・トゥゲザー」の活動について、「タブーを打ち破ることが最大の目標」と強調。精神医療にまつわる恥の意識を軽減しなければ、悩んでいる人も医療サービスを受けることができないと主張し、「もう21世紀なのだから」と力を込めた。
インタビューの全文は今週発売の同誌7月号に掲載される。