ベネズエラ保健相を解任 妊産婦死亡の急増を公表後

医薬品不足に悩むベネズエラ

2017.05.13 Sat posted at 18:34 JST

(CNN) 深刻な経済危機や政情混乱に直面する南米ベネズエラのマドゥロ大統領は13日までに、医薬品の極度の欠乏で死亡する乳児や妊婦が急増しているとのデータを公表したアントニエタ・カポラレ保健相を解任した。

保健省によるこの種のデータ公表は過去2年で初めてで、昨年の妊婦死亡は66%増、乳児は30%増とし、マラリア発症は76%増などの事実を明らかにしていた。

カポラレ氏は今年1月に保健相に就任していた。エルアイサミ副大統領はツイッターを通じ、後任の保健相に薬剤師のルイス・ロペス氏を充てることを発表した。同氏は中央政府で病院行政担当幹部を務めていた。

カポラレ氏の解任理由の詳細は伝えられていない。

世界最大級の原油埋蔵量を保持するベネズエラはかつて南米諸国で最大の富裕国との地位を享受していた。原油価格の下落や反米左派路線を敷く現政権の政策の混乱もあり、経済が停滞。国民は医薬品不足だけでなく、危機的な食糧不足にも襲われている。

現状に反発する国民の抗議行動も頻発しているが、警察の厳しい弾圧に遭遇している。デモ激化以降、これまで民間人ら38人が死亡し、最近では戦車が若い男性をひく惨事も起きていた。

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