米大統領専用機、発火の危険あった 機体の保守作業に不備

新たな米大統領専用機、ロシアの航空会社へ納入予定だった機材を転用か

2017.05.12 Fri posted at 16:13 JST

ワシントン(CNN) トランプ米大統領が使用する専用機(通称エアフォース・ワン)に保守作業中のミスによる不具合が起き、飛行中に発火する恐れもあったことが12日までに分かった。米空軍の調査で明らかになった。

問題が起きたのは、2機ある大統領専用機のうち1機。今週公開された空軍の調査報告書によれば、昨年4月、テキサス州サンアントニオにあるボーイング社の工場で保守作業中に、酸素装置(緊急時に酸素を供給するシステム)が汚染されたという。

原因は、適切に洗浄された器具や部品が用意されず、手順も守られなかったことだという。酸素と反応する可能性のある物質が装置内に残らないよう、酸素装置の保守に使われる器具や部品は特殊な方法で洗浄されなければならない。

もし酸素装置内に汚染物質が残ったままだと、爆発や発火のリスクは高くなる。

今回の不具合による人的被害は出ていない。修復にかかった400万ドルの費用は、ボーイングが負担した。

ボーイングによれば調査が行われたきっかけは、同社の整備士が上司に対し、不審に思われる点があると報告したことだったという。

大統領専用機に対して正しい手順での作業が行われず、危険な結果につながりかねない状況を招いたことから、ボーイング社の研修や監督のやり方には疑問が投げかけられている。

大統領専用機に搭乗するトランプ米大統領

酸素装置が汚染されるに至った主な原因は3つあったとされているが、そのうち1つは、保守作業にあたっていた整備士が「汚染防止に関する明確な兆候を見逃していた」ことだという。

また報告書では、保守作業についてボーイングが適切に監督できていなかった点や、酸素装置に関する研修の際に、整備士が教えられた内容を習得できていなかった点が指摘された。

歴代米大統領とともに、専用機の歩み

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