メルケル氏「英国は幻想抱かぬように」 EU離脱問題で警告

ドイツのメルケル首相(右)と英国のメイ首相

2017.04.28 Fri posted at 11:18 JST

(CNN) ドイツのメルケル首相は27日、欧州連合(EU)からの離脱を求める英国に対し、「EU加盟国と同じ権利を持つことはできないし、実際持つことはないだろう」と述べ、離脱後の未来にいかなる「幻想」も持たないよう釘を刺した。

ドイツ議会での演説で、メルケル首相は今後2年間にわたる離脱交渉においては、英国とEUの双方が「非常に多くの努力を求められる」だろうと述べた。

メルケル首相は、交渉は6月8日の英総選挙後に始まるとの見方を示唆。「繁栄する英国は私たちにとっても利益だ。つまり、私たちは公平かつ建設的な交渉を行うだろうし、英国側もまさにそうだろうと期待している」と述べた。

29日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議では、離脱交渉におけるEU側の方針を決定する。メイ英首相はこの会議に出席しない。

メルケル首相は首脳会議について、「団結の強いシグナル」を期待すると述べた。

交渉の大きな争点となりそうなのが、英国が支払う「離脱料」、つまりEU予算の分担金の額だ。

AFP通信によればメルケル首相は、英国の分担金は離脱交渉の最初から取り扱うべきテーマだと主張しているという。

離脱交渉には「非常に多くの努力が求められる」とメルケル氏

ユンケル欧州委員長はBBCの取材に、英国はEU離脱に際して約500億ポンド(約7兆円)を支払う必要があると述べている。

メルケル首相はまた、英国に対し、英国在住のドイツ人(推計10万人)の利益を守り、できるだけ早く将来の在留資格について明確にするよう強く求めた。

「(ドイツ人が守られるなら)そのお返しに、もちろんドイツも、国内やEU諸国に在住する英国人に公平な取り扱いをする用意がある」とメルケル首相は述べた。

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