オバマ氏が学生と対話、退任後初の公の場 政治には触れず

オバマ前米大統領がシカゴ大学主催の対話イベントでステージに上がった

2017.04.25 Tue posted at 13:36 JST

シカゴ(CNN) オバマ前米大統領(55)は24日、地域の社会活動などをテーマにしたシカゴ大学主催の対話イベントでステージに上り、学生らと語り合った。政治問題には言及せず、後任のトランプ大統領の名も一切口にしなかった。

トランプ氏はまもなく就任100日目を迎える。しかしオバマ氏の側近によれば、その節目も同氏の眼中にはないようだ。

1時間半近くにわたったイベントでは医療保険制度改革や外交政策についての発言も控え、表舞台で民主党の代弁者を務めるつもりはないとの姿勢をうかがわせた。

オバマ氏は檀上で「私が次の仕事として取り組める最も重要なことは何だろうと、時間をかけて考えている」「一番重要なのは、次世代のリーダーがバトンを受け取り、自分たちの力で世界を変えようとする、そのための準備に何とかして手を貸すことだ」と語った。

政治問題の最も近くまで踏み込んだ発言としては、トランプ氏が排除を唱えている不法移民を「子どもたちのためにより良い暮らしを望んでいる家族」と呼び、「我が国の移民政策に歴史上、常に少々行き当たりばったりで緩い部分があったのは事実だ」と述べて、移民家族の背景に理解を示した。

オバマ氏は30年以上前、25歳の時にシカゴで社会活動を始め、政治家としての道を歩み出した。当時の自分を「理想主義と、何とかして世界を変えてやるという確信に満ちあふれていた」と振り返り、「だがその方法は全く分かっていなかった」「私が世界をあっと言わせたわけではないこと、地域社会に何ひとつ有意義な変化をもたらさなかったことは、自分が真っ先に認めよう」と語った。

また、2004年の演説で有名になった「赤(共和党)の州も青(民主党)の州もない、あるのはひとつの合衆国だ」という一節は「野心的なコメント」だったと、自虐的な発言で笑いを誘った。

オバマ氏はさらに、メディアの政治化やインターネットが国民の分断を加速させていると懸念を示した。若者が盛んに利用するソーシャルメディアについても注意を促し、「私が高校時代に何をしたか、その写真を全て見られていたら、おそらく大統領になっていなかっただろう」「皆さんには自撮り写真や被写体について、もう少し慎重になることを勧める」と語り掛けた。

イベントの最後には、「私は自分の望む通りに物事が進んでいないと思われる時も、常に将来を楽観視している。皆さんのような若い人たちのおかげだ」と言葉を結んだ。

オバマ前大統領、シカゴで学生と対話

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