パリ(CNN) フランス・パリの観光名所シャンゼリゼ通りで20日夜、警察官が男に銃撃されて死亡した。容疑者の男は警察に射殺された。捜査当局は、テロ事件だった可能性が大きいとみて調べている。
捜査関係者によると、容疑者の男はフランス国籍で、イスラム過激派の活動に関与していたとされ、フランスの情報機関「国内治安総局(DGSI)」の監視対象になっていた。事件は単独で引き起こしたとみられている。
男は2001年にも警官2人を銃撃する事件を起こして有罪判決を受けていたという。
過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」はメディア部門のアマク通信を通じて声明を発表し、ISISの「戦闘員」が攻撃を実行したと主張。実行犯はベルギー人だったとしている。CNNではこの声明の信憑性は確認できていない。
パリ検察は、21日の記者会見で容疑者の男の身元を発表する意向。セーヌエマルヌ県シェルにある容疑者の自宅を捜索し、共犯者がいるかどうか調べていることも明らかにした。
オランド大統領は、テロ対策部門が捜査を主導していると説明した。現場にいた人たちは避難したとしている。
内務省などによると、事件は現地時間の午後9時ごろ発生。シャンゼリゼ通りで警察のワゴン車の前に1台の車が停車し、出てきた男がワゴン車を自動小銃で銃撃した。
銃撃を受けて警官1人が即死し、男は逃走。さらに警官2人に発砲して負傷させたが、警官隊との銃撃戦で死亡した。
死亡したのは30歳の警官だった。負傷した警官の1人は重体となっているが、容体は改善しているという。観光客の女性1人も負傷した。
事件を受けてシャンゼリゼ通りは封鎖され、現場に近い地下鉄の駅も閉鎖されたと伝えられている。
フランスは3日後に大統領選挙を控える。20日の候補者討論会は予定通りに行われた。
パリでは2015年、130人が死亡する連続テロが発生した。非常事態宣言は今も解除されず、大統領選挙や総選挙に向けて当局が警戒を強めていた。
シャンゼリゼ通りで警官狙い銃撃