難民1800人がリビア沖で漂流、悪天候で救助活動は難航

難民・移民の数は最大で1800人に達する可能性があるとみられている

2017.04.17 Mon posted at 12:40 JST

(CNN) 中東やアフリカから欧州を目指す難民や移民1800人あまりがリビア沖の海上で漂流し、15日から16日にかけて支援団体が懸命の捜索救助活動を続けている。しかし悪天候に阻まれて救助活動は難航している。

移民支援団体のMOASは、死者も出ている様子だが、人数は確認できていないと伝えた。これまでに453人を救助したものの、救助船が満員状態になって救助活動の中止を余儀なくされたという。

北アフリカ沿岸を拠点とする別の救助団体シーアイは、「船上で8~10人が死亡した。だがまだこれで終わりではない」と伝え、多くの船が発見されないまま漂流していると説明。死者は300人に上る可能性もあるとしている。

もう1つの支援団体の担当者は救助船から電子メールでCNNの取材に応じ、「私たちの周りにはまだ400人いる。多くは女性や子どもで、小さなゴムボートや木造船に乗っている」と語った。

「ライフジャケットを着ていない人もいる。付近に私たちを助けてくれる船舶はない。5隻ほどのゴムボートもこちらに向かってきている。私たちの船は乗船者が多すぎて、かじが取れなくなった」(同団体)

3団体とも、イタリア・ローマの海難救助調整センターに応援を要請したが、現時点で返答はないという。

これとは別に、国境なき医師団とイタリア当局によれば、イタリア南部の港には649人が漂着し、別の港にも72人が乗ったボートが到着した。

漂流する船に近付くMOASのメンバー=4月15日

イタリア警察によると、乗船していたのはソマリア、アフガニスタン、シリア、バングラデシュからの難民や移民だった。

国際移住機関(IOM)によると、今年に入って4月9日までに、約3万2000人が海を渡って欧州に到着した。80%以上はイタリアに、残る約20%はスペインとギリシャに漂着。554人は航海の途中で死亡した。

イタリアの新聞によれば、同国の沿岸警備隊は14~15日だけでも約6000人を救助している。密航業者は海が穏やかな時を見計らってリビアから船を出航させていた。

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