モスクワ(CNN) ロシア第2の都市、北西部サンクトペテルブルクの地下鉄で3日、走行中の車両が爆発し、国営メディアによると少なくとも10人が死亡、数十人が負傷した。当局はテロとの見方を示している。
爆発は同日午後2時半ごろ、列車が市中心部のセンナヤ広場駅から技術大学駅に向かう途中、トンネルを通過している間に起きた。運転士はその場で停止せず、技術大学駅まで列車を進めた。これによって乗客の脱出や救急隊の手当てが素早く進み、多くの命が救われた可能性がある。
保健当局によると少なくとも三十数人が負傷し、うち6人は重体。ただ死傷者の人数については、このほかにも情報が飛び交っている。
当局は爆発の原因について、「正体不明の爆発装置」との見方を示した。犯行声明は出ていない。
プーチン大統領はこの日、同市で開かれたメディア関連の会議で講演していた。爆発を受け、現場の駅を訪れて花をささげた。
プーチン氏は、当局がテロを含む全ての可能性を調べていると述べた。メドベージェフ首相は爆発を「テロ行為」と呼んで非難した。
ロシア上院国防安全保障委員会のオゼロフ委員長は、大統領がサンクトペテルブルクを訪れ、報道陣も集まっていたというタイミングは「偶然ではない」との見方を示した。
現場の写真には、大きく損傷した列車から逃げ出す乗客や、煙が充満する駅の様子が写っている。ホームに横たわる人々や、負傷者を運ぶ救急隊員の姿も見える。
対テロ当局によると、別の地下鉄駅でもう1つ、爆発装置が見つかって解体処理された。国営メディアは捜査当局の話として、消火器の中に隠されていたと伝えた。車内で爆発を起こした装置よりさらに大きく、TNT火薬約1キロが使われていたという。
市内の地下鉄は全線が運行を停止している。
ロシアではかつてテロが多発したが、近年は比較的落ち着いた状況が続いていた。
ロシア第2の都市の地下鉄で爆発