ノートPC爆弾、空港の保安検査すり抜ける恐れ 米当局者

ノートパソコンの中に仕込んだ爆弾が保安検査をすり抜ける可能性が指摘されている

2017.04.01 Sat posted at 11:40 JST

(CNN) 米情報機関と捜査当局が、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」や他のテロ組織が電子機器の中に爆発物を埋め込む方法を開発したとの見解を示していることがわかった。連邦捜査局(FBI)のテストでは、空港で一般に採用されている保安検査の一部は、この方法ですり抜けることが可能だと示されている。

テロリストらは効果的に爆発物を隠す方法を探るため、空港の保安検査で使われる先進的な設備を入手しているとの情報もある。

こうした情報は過去数カ月間に収集されたもので、中東やアフリカ8カ国の10空港からの渡航者に対し、ノートパソコンなど電子機器の機内持ち込みを禁止したトランプ政権の決定に重要な役割を果たした。

この決定の際、複数の米当局者はCNNに、テロリストらがバッテリー収納部に爆発物を隠す方法を開発したと懸念を示していた。だが今回の新情報では、保安検査を通過するのに十分な起動時間を確保しながら、爆発物を隠せるようになったことも明らかとなった。FBIの試験によると、設計は高度なものの改造自体は一般家庭にある道具で可能だという。

今回明らかになった情報により、この禁止措置の対象範囲が十分か疑問も生じうる。FBIは昨年後半に一連の試験を実施。こうしたノートパソコン爆弾が以前のものよりも空港保安検査での探知がはるかに難しくなるだろうとの見解に達した。FBIの試験は米運輸保安庁(TSA)により認可され米国を含む世界中で使用されている検査機を対象とした。

米当局は米国や欧州の空港の保安検査はより信頼性が高いと見ている

ただ、当局は数カ月にわたる評価の結果、米国や欧州の空港にある探知や保安検査の機器は、ぜい弱性もあるものの信頼性が高いと判断した。こうした先進技術や対応訓練がリスク低減につながると見ている。複数の当局者が、米国や欧州諸国ではX線検査のほかに爆発物探知犬や爆発物質の追跡探知など何重もの対策がとられているとも指摘する。

21日から実施されている電子機器の持ち込み制限は、携帯電話よりも大きなものについて客室への持ち込みを禁止し、預け入れ荷物に入れることを求めている。情報当局者は、遠隔操作での爆破は難しい点や、仮に爆発した場合に荷物室の方がダメージを減らせる可能性がある点に言及する。

米国土安全保障省はCNNの取材に対し、特定の情報への言及は避けたものの、テロ組織が電子機器に入れた爆発物を機内に持ち込むなど、民間機を狙っている情報があると認めた。

英国も今月から、米国の対象国になっていない2カ国を含む6カ国からの航空便に持ち込み制限を実施した。

米軍や情報機関はアルカイダ系組織やISISの情報を追跡。特にイエメンのアルカイダの爆弾製造技術が高く、人体やプリンターのインクカートリッジに爆弾を忍ばせる方法を開発中と見ている。2014年以降、こうした技術が他のテロ組織に渡ったとの懸念も示されている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。