(CNN) トランプ米大統領が昨年、当時のオバマ政権から盗聴されたと主張している問題に関し、ホワイトハウスは30日、政権のスタッフが新たな情報を発見していることを明らかにした。これにより、トランプ大統領の側近が機密情報を下院情報委員会のニューネス委員長(共和党)と共有し、大統領の主張を支えようとしたのではないかとの疑惑が出ている。
30日にトランプ政権の法務担当者は「通常業務の中で」発見されたという機密情報を見るために上下両院の情報委員会の幹部らを招く書簡を送った。
スパイサー報道官は同日の記者会見で、「関連する委員会の委員長や幹部メンバーに対し、あらゆる情報を提供するのが賢明な対応だとわれわれは考えている」と述べた。「われわれは内容のほうを重視しており、目指すべきは調査に携わる人々にその内容を伝えることだと思う」
報道官によれば、この情報は国家安全保障会議(NSA)が発見したもの。ホワイトハウスのドン・マッガン顧問は「米国人について収集された情報が、誤った扱いをされたりリークされた」かどうかに関するものだとしている。
これは先週、下院情報委員会のニューネス委員長がホワイトハウスを訪ねた際に提供を受けたという情報と共通点が多い。
これら2つの「情報」が同一のものかどうか、政府関係者は確認を控えている。だが民主党はタイミングがよすぎるとし、情報を多くの議員に提供しようとするホワイトハウスの意図に疑念を示している。
下院情報委員会の民主党幹部であるアダム・シフ議員は、自らもホワイトハウスで問題の文書を見るよう招かれたという。だが書面での回答でシフ議員は、情報を委員たちに提供するやり方について「深い懸念」を表明した。
今回の「招待」と相前後して、ニューヨーク・タイムズは先週のニューネス委員長への情報提供には2人のホワイトハウス高官が関与したと伝えている。
スパイサー報道官は、ニューネス委員長に情報を提供した、もしくは委員長をホワイトハウスに招き入れた高官の名前は明らかにしなかった。だが議員たちに提供された情報が盗聴疑惑がらみのものであることは示唆した。
「昨年の大統領選挙中に不適切な監視が行われたとの大統領の考えに変わりはない。この問題を調査している人々には法的な、責任ある手順を踏んだ上でこれを理解し、対策をとってもらいたい」とスパイサー報道官は述べた。
上下両院の情報委員会は昨年の米大統領選へのロシアによる介入問題を調査している。民主党はニューネス委員長に対し、この問題での調査に加わらないよう求めている。